ねこみんの投資生活

ふつうの塾講師が適応障害をきっかけに投資を勉強していくブログです

【読書14冊目】いちばんカンタン!米国の株の超入門書 安恒理

NYSENasdaq
米国株は主に二つの市場で取引されます。
世界最大の規模を誇る「ニューヨーク証券取引所(NYSE)」と、ハイテク銘柄を中心に上場されている市場「NASDAQ」です。
この二つの市場の時価総額を合わせるとおよそ43兆ドル(2021年1月現在)。なんと世界の株取引全体の40%以上を占めています。東証の取引金額は7%程度ですから、その市場規模の圧倒的な大きさがわかります。
世界から投資資金が集まるのは、米国企業の成長力のあらわれといえます。
また、多種の金融商品をそろえていることも魅力の一つです。(P.26)
 
【米国経済が好調な理由】
米国経済は世界の先頭を走ってきました。その強さを支えているのは、豊富な労働力と世界から集まる優秀な頭脳です。
先進国では珍しく人口増加が続いています。移民も多く労働力がつねに補充されます。
人口の増加が国内消費を生み、その消費が企業を成長させるという好循環の中にあります。
また先進的な大学の研究機関があり、世界から優秀な研究者も集まってきます。イノベーションも盛んに行われ、成長企業も多く生まれています。その魅力に惹かれて、世界から資金も集まってくるのです。(P.28)
→長期投資との相性が良さそう。
 
【投資が国の経済を後押しする】
米国は投資が盛んな国としてもよく知られています。米国国民が持つ金融資産の内訳を見ると、預貯金は13%のみ、一方、株式は38%、投資信託は13%と、資産の半分以上を投資に回しています。一方、日本は預貯金が54%、株式が10%、投資信託は4%です。
活発な投資が、米国企業の株価を押し上げ、その成長を促しているのです。(P.28)
→日本でも新NISA等の施策で投資が今より盛んになれば、経済成長が後押しされるようになるかもしれない。
 
【米国は株主還元が手厚い】
高収益を上げている米国企業は、株主への還元にも力を入れています。
たとえば配当は年4回(日本は年2回)。しかも連続配当(配当額を増やし続けている)企業も、日本とは比べものにならないほど多数あります。
たとえば20年連続増配の企業は、日本ではわずか7社。米国では100社以上あります。
配当利回り(配当金÷株価)は、通常、分母の株価が上がると、割合が下がります。しかし、米国株は株価が上がり続けているのに、日本株の利回りよりおおむね高い。つまり、株価の上昇以上に、配当を増やしているのです。
(P.30)
 
【米国の株主文化】
日本では取引先との間で、相互に株を持ち合うケースが多々あります。この慣習によって会社の味方である「安定株主」が大多数を占めるため、経営が甘くなってしまいます。
いわゆる慣れ合いの状態です。内部留保が多いのに日本企業が株主に還元しないのは、こうした商習慣が原因です。
しかし米国では、株主が堂々と企業に株主還元などを要求します。そのため経営陣も緊張感を持ち、できるだけ株主に利益の還元を行うよう努力するのです。
株主の厳しい監視の目が光っているので、安心して投資ができるというわけです。(P.30)
 
【米国株は1株から購入が可能】
「米国の株を日本で買えるの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、安心してください。米国株は日本の証券会社の口座で買えます。英語ができなくても大丈夫です。
マネックス証券SBI証券楽天証券などが代表的な証券会社です。取り扱い銘柄や手数料は、会社によって異なります。
口座を開設し資金を振り込めば、すぐに米国株が買い付けできます。
しかも米国株は1株から購入できます(日本株は100株単位)。数千円の投資資金から米国株デビューできます。(P.32)
 
【米国株投資の方法】
米国株投資には大きく分けて次の三つの方法があります。
①個別の企業の株を買う
投資信託を買う
ETF(上場投資信託)を買う
(中略)
米国株投資のスタンスは長期投資が基本と記しましたが、これには理由があります。
米国株の魅力は年4回の配当と長期的に期待できる企業の成長にあります。デイトレードスキャルピングが目的なら、取引手数料が安い日本株でいいわけです。(P.32)
 
【円貨決済と外貨決済】
ニューヨーク市場に上場されている米国株の買い付けには米ドルが必要です。
米ドルの用意のしかたには①円貨決済②外貨決済の二種類があります。
円貨決済の場合、証券口座に日本円を振り込んでおくと、証券会社が注文時のレートで米ドルにして米国株を購入します。
投資家は楽ですが、為替手数料が必要になります。為替手数料は1米ドル当たり片道で0.25円が目安。購入+売却の往復で0.5円程度かかります。買付け時は無料としている証券会社もあります。
一方、外貨決済では購入より前に、米ドルを用意しておき、その米ドルで直接買い付けます。手数料の安い金融機関を選んだり、有利なレートの時に交換したりできるのがメリットです。
交換時の手数料を節約する方法もあります。たとえばSBI証券では、連携する往信SBIネット銀行の外貨出入金サービスを使うと手数料を0.04円に抑えられます。
なお、米国株に投資する投資信託ETFであっても、東証に上場している国内の商品であれば、日本円で購入できます。為替の計算が煩わしい方は、こうした商品を選ぶのも手です。(P.44)
→今は記録的な円安続きなので買うのはやめたほうが良さそう。
 
米国などの市場で株を識別するためのコード。基本的にNY市場はアルファベット1~3文字、NASDAQは4文字以上。
NASDAQ上場のZoom(ZM)のように例外もある
例)
AAPL アップル
AMZN アマゾン
(P.47)
→日本でいう証券コード
 
ETFのメリット・デメリット】
ETF投資信託の一種ですが、上場されており、刻一刻と価格が変動し、1日に何回も売買できる点が投資信託と異なります。
ただし、ETFでは、分配金を自動で再投資に回せません。分配金を一度受け取ってから、購入し直す必要があります。再投資のたびに分配金への課税や購入手数料がかかる点がデメリットです。(P.66)
ETF投資信託なので、様々な株式・債券に分散投資している。分散投資のメリットと、リアルタイムの取引のメリットを両方享受できるのがETFの強みといえる。
 
【米国株の配当利回りは高い】
米国では「企業は株主のもの」という意識が強く、企業も株主還元に力を入れています。
株主優待制度がほとんどない分、配当が手厚くなっています。
個別株では配当利回りが5%を超える銘柄はザラ、なかには8%を超える銘柄もあります。高配当は米国上場企業全体にいえることで、たとえばダウ平均採用銘柄の配当利回り日経平均配当利回りを上回ります。
また、重要なポイントは、毎年配当を増やし続けている(連続増配)かどうかです。これらの企業は、安定した成長を続けており、株主への還元に積極的といえるからです。(P.84)
 
【連続増配はオールドエコノミー中心】
ただし、連続で増配を行っている企業は古くからある企業、いわゆるオールドエコノミーが多く、新興企業のような急成長(値上がり益)はさほど見込めません。
キャピタルゲイン(値上がり益)を狙うか、インカムゲイン(配当益)を狙うか、投資配分で工夫しましょう。(P.84)
 
【配当性向】
算出方法(%)ー1株当たりの年間配当金額÷1株当たり当期純利益×100
判断基準ー企業がどれだけ利益還元しているかの指標。平均は30~50%。米国株では70%を超える企業もある。
注意点ー配当性向が高い会社は株主還元を重視する分、積極的な設備投資ができていない恐れもある。逆に成長期の会社は設備投資重視で、配当性向が低いことも多い。
(P.89)
→年間の純利益をどれほど配当に回しているか、という指標。
 
算出方法(%)ー1株であたりの年間配当金額÷1株購入金額×100
判断基準ー購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けられるか。
注意点ー投資家が購入した時点の株価に影響される。購入時に株価が割安だと、配当利回りは高い数値が出る。ただし、業績予想が悪くて株価が低迷しているときは、配当が減る(減配)の危険性もある。
(P.89)
 
【米国株の情報収集】
株式投資に情報収集は欠かせません。正しい情報収集・分析がなければ成功はおぼつかないと断言できます。
これまで米国株投資の最大のネックとなっていたのは、この情報収集の難しさでした。
しかし現在では、ネットでどんな遠くの情報でもリアルタイムでゲットできます。証券会社のHPや携帯アプリでも、米国市場のニュースを随時配信しています。最大限活かしましょう。
個別株の基本的な企業情報や株価は、各証券会社のHPのほか、Yahoo!ファイナンスなど金融関連のサイトでも得られます。(P.94)
 
【英語で情報をいち早くキャッチ】
より鮮度の高い情報を求めるなら、英語版のサイトを見るのも手です。たとえば、Yahoo!ファイナンスには日本版のほかに、米国版もあります。株式投資に必要なキーワードさえ押さえておけば、項目や指標の数値を読み取るのは難しくありません。
また、グーグル翻訳など自動翻訳機能もフル活用しましょう。現地企業のHPもこれで読み込めます。
他にも米国証券取引委員会が運営しているHPのEDGARでは上場企業が運営している有価証券報告書(10-K)や四半期決算(10-Q)を無料公開しています。(P.94)
 
ポートフォリオは10社程度に】
単に複数の会社の株を買うのではなく、多業種にわたって分散させましょう。同じ業種の株は、経済状況の変化に対して同じような値動きをするため、分散投資の効果が薄くなってしまいます。ドル高で下がる株というように経済状況で逆の動きをする組み合わせのほうがリスク分散の効果は高くなります。
具体的にはどれくらいの数の銘柄に分散させたらいいのでしょうか?保有銘柄が多すぎると、決算発表やリリース発表など企業動向のチェックがどうしても手薄になりがちです。多くても10社程度に絞り込むのが良いでしょう。(P.106)
 
【安価で放置には理由がある】
割安で低価格の株を買い、高値で売却するのが利益を得る鉄則です。しかし、これがそう簡単にはいかないものです。
とくに初心者は、安く放置されている株=人気がない、という事実を忘れて飛びついてしまい、十分な配当も値上がり益も得られないからと、売却してしまいがちです。
安値の銘柄はこれ以上、下落するリスクは小さいのですが、多くの投資家が避けるだけの問題を抱えています。値上がりに転じるには相応の時間が必要です。
まずは高配当銘柄でコツコツと運用益を得ることをメインにし、値上がり益狙いの投資は資金の一部にとどめましょう。
長期投資で利益を上げるには、「小さく生んで大きく育てる」という気構えで辛抱強く待つ必要があります。とくに投資資金が少ないうちは、早く結果を出したいと焦りやすいものですが、投資には心の余裕が欠かせません。「いうかは報われる」という信念のもとで投資しましょう。
ただし相場の急変や、投資先の経営状態が大きく様変わりしたときは機敏な対応が求められます。(P.132)
→買い増しするための余裕資金のプールなど、心構えは他にもある。