ねこみんの投資生活

ふつうの塾講師が適応障害をきっかけに投資を勉強していくブログです

【読書56冊目】行かないと損をする!株主総会を楽しみ、日本株ブームに乗る方法 渡部清二+複眼経済塾

【2個所から聞いた噂は正しい】
私には法則があり、2箇所から悪い噂を聞いた、もしくは いい噂を聞いた時、その噂は正しいというものです。その会社の場合、会社四季報 の印象は良かったのですが、ある人から「あそこのオーナーは悪評が高いよ」と聞いていました。上場してお金が入ってきたことでハワイや 沖縄辺りで遊び回るようになり、全く経営に興味を持っていないというのです 。いざ株主総会に出てみたら、実際に社長はいなかったわけです。後にも先にも、こんなことは初めてです。この会社は、ナンバー 2以下の対応もひどいものでした。社長の欠席は開始時点で分かっていることです。まずは 株主に事情を説明し、「社長は 急遽、欠席となりました。申し訳ありません」などと言ってスタートさせるなら、まだ 誠意を感じます。ところが 何の説明もないのです。株主による質疑応答の時間に、私が「なぜ社長は今日いないのですか?」と聞いて 初めて、会議 括弧 社長は今日、急用で…」と、しどろもどろに答えたのです。(P.21〜22)
→経営者の人柄や持っているビジョン、熱量など、直に接しないと伝わらないものもある。
 
株主総会で得られるもの】
株主総会への参加というと、事前に情報を色々 仕入れなければならないと思う人もいるでしょう。何も知らないまま参加しても当然 難しい話ばかり語られ、聞いても全く理解できない。単に眠気を抑えて座っているだけになりかねない。そんな不安を感じる人もいるかもしれません。実際のところ、株主総会で決めるのは、役員の選任 や 報酬 、定款変更など 人事や経営における重要事項です。ただ 株主総会は必ず本決算の発表の後 開催されるため、事前に決算短信 や 決算説明資料なども IR 資料が公開されていますし、株主総会の招集通知にも前期の事業報告や財務諸表が掲載されていますので、事前に そうしたものに目を通しておけば 理解が深まり、株主総会に参加した時も、その会社について より深く知る手助けになることは確かです。とはいえ 株主総会でも最初に事業報告を行い、前期の概況や 売り上げ、利益、対処すべき課題などを説明します。その意味では、まっさらな状態で行っても問題ありません。それ以上に大事なのは当然 話す ニュアンス など、紙に書かれたものは違う、直接見ることでしかわからない生の情報を得ることです。(P.29〜30)
→気の利いた社長ならデータの補足など、新しい情報を追加してくれることもある。
 
【総会に参加したらハガキを書こう】
株主総会への参加だけでなく、参加後の会社や社長の対応に感動することもあります。例えば平塾の小笹は、株主総会に出席したらお礼のハガキを出しています。これは「日本のバフェット」と呼ばれた、投資家の竹田和平氏に習ったものです。竹田氏は株式会社から配当をもらうと、必ずお礼の手紙を書いていました。同じことを 株主総会へのお礼で行うというものです。そしてそれを受けた会社は、様々な対応を見せます。そうした中、小笹が感動的な思い出として述べているのが、顧客満足度調査などで知られる オリコン(4800)にハガキを出した時です。株主総会で適正な ROE の水準や 現預金の使い方について質問し、誠実に答えてくれたことへのお礼を書いたところ、小池恒社長から「おかげさまで 質問 も多く充実した総会になりました。感謝しています。是非またお越しください」などと書かれた返事が封書で来たのです 。改めて調べるとオリコンは、株主総会に力を入れている会社であると分かりました。昨年の株主総会は六本木の高級ホテルで開催し、開場時間より早く来た 株主には、専用の待機部屋も準備してあります。コーヒーなどを飲んでますこともでき、できる限り株主をもてなそうという考えの会社なのです。(P.85〜86)
 
株主総会に出席するには】
株式を100株 持っていれば、その会社の株主総会に出る権利がもらえます。この100株は、さほど高いハードルではありません 会社四季報などを見れば分かるように、多くの上昇企業では5万円から50万円ほど あれば100株 買うことができます。金額で買う銘柄を決める場合は、会社四季報オンラインのスクリーニング機能を使うと便利です。有料会員になると「10万円以下で買える優良銘柄」といった特集から選ぶこともできます。また「新規作成」 タブを使って、「5万円以下」などと 自分で 条件を設定することもできます。極端な話、上場会社でありながら株価が10円以下の会社もあります 。10円の会社なら10円×100株=1000円で株主総会に出る権利を得られるわけです。株価の値上がりを期待するなら、このような株を買うのは一考を要しますが、試しに株主総会を覗きたいだけなら、こんな選び方もあるかもしれません。(P.95)
 
株主総会は年齢不問】
株主総会に参加する上で、年齢は関係ありません。株主名簿に記載されていることが唯一の条件なので、この条件さえ 満たせば、何歳でも参加できます。これは小学生でも、株主でさえあれば参加できるということです。未成年は株を買えないと思っている人もいるようですが、株の購入に年齢制限はありません。証券会社に口座さえ持っていれば、年齢に関係なく買うことができます。実際のところ、高校生になる私の息子も株を持っています。中学1年の時に勉強を兼ねて 証券口座を作り、30万円をもとでに現在は 4銘柄を運用しています。つまり 4つの会社の株主であり、これらの会社の株主総会に参加する権利があるのです。実際、複眼経済塾の塾生には親子で同じ銘柄の株を持ち、一緒に 株主総会に参加している人もいます。アメリカでは このようなケースは珍しくなく、親子で株主総会に行く人たちも多いようです。先日小笹は、不動産価値創造会社いちご(2337)の株主総会で1列目に陣取る親子を発見、毎年来ているそうです。中学生の娘さんが 資料について長谷川拓磨社長に質問したら、スコット・キャロン会長が「私も(リハーサルで)同じことを聞きましたので いい質問です」と褒め、会場は一気に和みました。(P.97〜98)
→NTTの総会に彼女と一緒に行きたい。
 
【投資ツーリズム】
「楽しむ」という意味では、地方に本社がある会社の株をおすすめです。複眼経済塾で「投資ツーリズム 」と呼んでいるもので、株主総会と旅行を一緒に楽しむのです。地方に本社がある会社は、その地域に根ざしながら事業に取り組んでいます。そう考えるなら株主もそこに出向き、その土地の空気や文化に触れたり、おいしいものを食べたりして、その地域への理解も深めようという考え方です。都会で暮らす 株主が地方を訪れ、その地域を応援すれば、土地の地方創生にもつながります。複眼 経済塾には 塾生が1200人いますから、みんなで好きな地方の会社の株を買い、それぞれが地方に出向いて 株主総会に出るのです。地方にも 独自の技術を持つなどして、大きな成長が見込める会社はたくさんあります。株主総会のために地方へ行くのは面倒くさいと思う人も、ちょっとしたプチ旅行を楽しもうと考えればいいのです。(P.114)
 
【社長の資質を見極める】
株主総会で質問を通じて一番知りたいのは、社長としての資質 です。それが一番わかりやすいのは、未来に関する話を聞くことです。未来に対するイメージを持っていなければ当然その人の経営者としての資質に大きな疑問符がつきます。未来に関する質問にどう答えるかで、経営者としての資質がわかるのです。未来に関する質問は当然 大きく3つあります。1つ目は マーケットに関するもの、2つ目は将来の夢、そして3つ目が 社員教育です。特にデビュー戦 など、新しい会社の株主総会 ほど、これらの質問が重要になります。(P.138〜139)
 
株主総会チェックリスト】
①第一印象(いい・普通・悪い)
②社長は「自分の言葉」で話していたか(はい・いいえ・その他)
③社長の説明内容は分かりやすかったか(はい・いいえ・その他)
④事業に対する社長の熱意は感じられたか(はい・いいえ・その他)
⑤参加社員の雰囲気はどうか(いい・普通・悪い)
⑥居心地の良い空間だったか(快適・普通・不快)
⑦演出に工夫はあったか(あり・なし・その他)
株主総会ミシュラン総合評価(ABCDE)
⑨主な質疑応答
(P.166)
 
内部留保=悪とは限らない】
その会社が成長すると思い、応援したいとなら、内部留保してもらい、自分は株をずっと持ち続けていればいいのです。つまり「株主還元 しろ」というのは、「あなたの会社はもう伸びないから、今持っているものをよこせ」というのと同じで、要は分捕りです。株主として、それを会社に要求する感覚は問題です。本来は「物言わない株主」こそが、最もその会社や株主のことを考えてる人たちです。それが大株主なら、なおさらです。 さらに言えば、その会社に期待して株を持っているという意味で、大半の株主の代弁者でもあります。(P.176)