ねこみんの投資生活

ふつうの塾講師が適応障害をきっかけに投資を勉強していくブログです

【読書55冊目】最強の高配当投資 売却益✕配当益 爆速で資産を増やす! 上岡正明

【配当と売却益の両取り】
高配当株投資のメリットは株価が下がっても配当が入ってくるところにあります。たとえ、株価が買値より下落しても、配当をもらいながら、戻るのを待てばいいのです。そして買値に戻って、そこから上がったところを売れば配当と売却益の両方が手に入ります。
本書では、「配当(=インカムゲイン)」と「売却益(=キャピタルゲイン)」の両方を狙う投資ノウハウを解説しています。(P.9)
 
【長期投資≒盆栽】
じっくり待つという投資は、盆栽を育てるのと似ています。松でもサツキでも、盆栽の樹木はいきなり成長するわけではありません。少しずつ枝葉が伸びて、育てる人の目指す形になっていきます。その間に水をやったり、枝を切ったりと手入れして春夏秋冬、育っていくのを待ちます。
高配当投資も、自分の描いた形になるまで、時には追加買いをしたり、一部を利益確定をしたり、エントリーし直したりして見守ります。あるいは、花を育てるイメージを抱いてもいいでしょう。種をまいて、芽が出て、茎が伸びて花が開く、育っていく過程を楽しめます。高配当投資では、育つ間の楽しみが「配当」という成果になりますし、花が咲けば、利益確定ポイントで「売却益」になります。盆栽や花を育てるぐらいのゆっくりした時間の流れが、高配当投資のスピード感です。(P.23〜24)
→短くて1〜2年、普通は4〜5年かけて待つのが高配当投資。
 
【配当金=我慢料】
買ってから長い間、売却益が狙えないような値動きでも、その間は「配当金=我慢料」があるーそう考えれば、心が折れずに保有できるのではないでしょうか。
山口 FG の2020年の3月期配当は、100株あたり 2400円 、配当利回りは約4%でした。減配されずに、最低でもこの配当金を4年間、2023年までもらい続ければ、100株で計 9600円になります。2020年に720円で買っていたとしましょう。株価を下落して500円を割ることもあり、なかなか買値に戻りません しかし、含み損を抱えていても 配当金があるわけです。これをがまん料と考え、所有を続けます。すると 2023年には 株価は約2倍になっています。720円で買ったものを1400円の高値で売れば、利益は 680円 売却益と配当金を合わせて100株当たり7万7600円の利益です。 売却益68000円+配当金9600円=7万7600円。(P.30)
→株価が下落しても配当金で相殺する、という考え方もできる。
 
【高配当に関する4つの条件】
配当利回り…3%以上
②配当性向…30%くらい
③過去に増配してきた実績あり
④直近、配当が下がっていても回復する傾向が見られるか
この4つが当てはまると、より確実な「高配当銘柄」となります。(P.37)
 
【判断基準は75日線】
本書の高配当投資では、売却益を狙うにしろ、中長期が基本です。すると 25日線は短期売買になってしまい、適さないと言えます。75日線は2ヶ月あまりの 平均値なので、短くても3ヶ月、だいたい 6ヶ月から12ヶ月以上の中長期戦には適しています。200日線はさらに長く 1から3年の長期戦です。75日線も2 00日線も 25日線より、ゆっくりと自分の時間で戦うことができます。どの移動平均線を基準にするか、これには正解はありません。ただし、高配当を通してじっくり 戦おうと思っているなら、75日線を判断基準にした方がいいと思います。(P.64)
 
【売り時の根拠を言えるようにする】
例えば 半年後になぜ売るのか その理由 が答えられることが大事なのです。その後には 中国経済悪化の影響を受けて 業績が悪化しそうだから、その前に売っておく など、きちんと 根拠が言える必要があります。3年前の高値を利確 ポイントにするなら、なぜ3ヶ月前の高値ではなく 3年前なのかそう 問いかけて回答できればいいのです。例えば、こんな理由です。 アパレル関連の銘柄を買ったとして、3年前の高値まで待つ理由として、「これまで遅れを取っていた EC 事業(商品やサービスをインターネット上で販売する事業)に進出して、もう 百貨店 ビジネスに頼らなくてもいい状況になっている、また別のアパレル銘柄は上抜け始めている、リストラ もだいぶ 進んで利益が出しやすい、だから3年後の高値まで上昇するだろう」という風に答えられれば、3年前の高値まで持って 利確する根拠があります。(P.86)
 
【上値抵抗線の近辺で売る】
初心者で毎日、自分の持ち株 ばかり見ていると、少し下がったところで売りたくなるものです。そうではなく、自分が決めた 根拠ある利確 ポイントまで配当をもらいながら、じっくり待つ!この待つという姿勢の方が 資産は貯まります。
私の場合、利確 ポイントは、厳密にいくらという金額ではなく、上値抵抗線の近辺としています。上値抵抗線を抜けたところで売ることもあれば、タッチして下がったところで売ることもあります。私の本業は、1日中、動きを監視しているわけではないので、気がついたら上に抜けていたり下がってしまったりしています。です か ら、だいたい 上値抵抗線の近辺で手仕舞いできればいいということにしています。(P.88)
 
日本株の動向は海外投資家が握っている】
日本の個人投資家の中には、日本銀行や日本の投資家たちが日本株を動かしていると思っている人がいるかもしれません。しかし、日本株を動かしているのは 海外投資家たちです。海外投資家とは世界各国のファンド 、機関投資家オイルマネー、チャイナマネー といった海外に在住して日本株を売買しているプロの投資家たちです。日本証券取引所の「投資部門別 株式売買状況 東証プライム」を見ると 6〜7割は 海外投資家の売買です。日本の投資家が動かしているのは3〜4割ぐらいということになります。(P.104)
→海外投資家の動向を知ることが、投資実績にも影響する。バフェットのような巨人が日本の商社5社の株を保有して株価が上昇、なんてこともある。
 
【自分で仮説を立てる】
投資家の中には、「会社四季報」(東洋経済新報社)を必ず読むという人も多いかと思います。初心者のうちは、四季報は読んだ方がいいでしょう。色々な情報が詰まっていますし、個別銘柄のチャートも載っています。年間4回 発行される 四季報で、業績を見て、全銘柄のチャートに目を通して、業績の浮き沈みを定点観測するのはすごく有効だと思います。そういう私は、株式投資を始めて5年間ぐらいはチャート専門誌「週刊ゴールデンチャート」(ゴールデン・チャート社 現在休刊)を購入して、全銘柄のチャートを見ていました。しかし、見続けて何年飾った頃から、それを見なくても 銘柄の動きはわかるようになっていったのです。チャートを見る目が養われたからでしょう。四季報も読んでいましたが、日々のニュースをチェックしていれば、四季報に書かれている分析記事や業績予想を読まなくても予想できるようになっていったのです。(P.108)
→自分でニュースの1次情報から仮説を立てられるようになることが大切。
 
【経済財政運営と改革の基本方針】
高配当投資で勝つには、エントリーが全てだと繰り返し書いてきました。高値でエントリーする 安いところで買う方が、利益が出ますし、配当利回りも上がるのは当然の話です。そのような銘柄を選ぶ際、参考になるのが「国策」です。
国策は、毎年6月頃に政府から発表される「骨太の方針」を読めばわかります。「骨太の方針」正式名称を「経済財政運営と改革の基本方針」と言い、政権の重要課題や翌年度予算編成の方向性を 示す 方針です。これに合わせて 各省庁が予算を決めていきます。
そのため、この方針に関連する銘柄には補助金を支給されたり、多くの投資家の関心を引くことなどから、株価の上昇が期待できます。(P.111〜112)
 
【高配当株ローテーション】
売却後はそれを資金にして、他の割安な 高配当銘柄を探して、乗り換えるのも手です(高配当株ローテーション)。ですから、私が考える 高配当 投資は、一度買ったら「放ったらかし」ではありません。割安な高配当銘柄を自分で探して買って、配当益を得て、さらには 売却益も得て…手間をかける分動転 利益率は高いのです。
・ある銘柄が割高と判断できる価格まで上がったら、利益確定する。
・それを元手に違う 割安銘柄に投資する。・その銘柄が上がったら売却、また割安銘柄に乗り換えていく。
このようにして資金を回し、ローテーション しながら増やしていくのも、高配当投資戦略の一つです。
(P.133)
 
【高値ゾーンの株を暴落時に買えるよう備える】
川崎重工業三菱重工業 も、2023年11月現在、すでに上昇して高値ゾーン です。しかし日経平均株価が暴落したら、割安まで下落する可能性は十分があります。この2銘柄のように 高値 ゾーンにある優良銘柄をチェックして、暴落時に買える準備をしておくと良いでしょう。(P.143)
 
【高配当投資8つのルール】
①増収、増益、安定配当、高配当利回り銘柄に投資する
②高配当 投資が第一目的、次に値上がり益を狙う
③狙うのは割安株、中途半端な株価では買わない
④割安株を狙い、上昇まで我慢する
⑤割安・割高 は小学生目線で判断する
⑥最安値と最高値は狙わず、戦いやすいゾーンで売買する
日経平均株価の暴落は「バーゲンセール」と心得る
⑧常日頃から多くのチャートを見て「審美眼」を養う
(P.153〜154)
 
【時間はかかるが再現性の高い高配当投資】
投資の利益には、その年によって ブレがあります。値上がり益だけで安定した収益を手に入れるのは、並大抵のことでありません。大きく暴騰したその翌年に暴落する、というのは相場ではよくある話です 。私自身、株式投資歴が20年ほどですが、毎年 安定した株の収益を手に入れるのに、10年以上はかかりました。値上がり益だけを目的にした株式投資は、どんなベテランであっても毎年確実に利益が出る、という投資手法ではないのです。一方、配当金の収益は違います。減配、無配のリスクはもちろんありますが、本書を参考に、しっかりと銘柄選びをすれば、そのリスクは上手に回避できます。チャートを選定してエントリータイミングを絞り込めば当然これほど「再現性のある投資方法はない!」と断言できます。
好景気も不景気も、高金利も低金利も、景気サイクルに関係なく配当が入ってくるようになることが重要です。そして、そのサイクルの中で、高配当株を売却して、値上がり益も手に入れます。さらに、その利益を次の高配当に投資して、5年 や10年かけて 資産を2倍、5倍、10倍にしていきます。これが、本書で紹介する 高配当投資のメソッドです。(P.157)