ねこみんの投資生活

ふつうの塾講師が適応障害をきっかけに投資を勉強していくブログです

【読書25冊目】いちばんカンタン!FXの超入門書 安恒理

【FXのレバレッジは最大25倍】
FX取引を行うには取引業者に口座開設し、そこに資金を担保金として預けます。この担保金が証拠金です。
外貨預金とFXのいちばんの違いはレバレッジの有無です。外貨預金は買い付けた金額だけで運用しますが、FXなら証拠金の何倍もの額を運用できます。
(中略)
FX最大の魅力はこのレバレッジが大きいことです。外貨預金は1倍、暗号資産は最大2倍に制限されていますが、FXなら自己投資の最大25倍もの金額を投資できるのです。(P.20)
 
レバレッジが大きいと損失も大きい】
レバレッジを効かせて思惑どおりに為替が動けば利益は膨らみます。
しかし、思惑とは逆の方向に為替が動けば、損失が大きくなります。
シミュレーションで見てみます。
1ドル=100円で1万ドルを買い付けたとします。レバレッジ10倍の場合、10万円の証拠金で100万円の取引です。ドル高(円安)に振れるという思惑でしたが、見込みとは逆にドル安(円高)に動いてしまいました。
すなわち1ドル=99円になってしまったのです。100万円の投資額が99万円になってしまいました。1万円の損失です。
同じ10万円の資金でも、1000ドルの外貨預金なら1000円の損失(10万円→9万9000円)、すなわち1パーセントの損失でしたが、レバレッジ10倍のFXなら10パーセントの損失(マイナス1万円)になります。(P.24)
→初心者が手を出すにはハードルが高い。ただ、どのような取引方法があるのか、株式取引と類似する点もあるので参考になる。
 
FXは必ず儲けられるとは限りません。損失をこうむるケースも想定しなければならないのです。為替が予想とは逆の動きをしてしまったとき、「いずれ元に戻る」としばらくガマンする手法もあります。
しかし、損失が増えて、損失額が証拠金を上回ってしまったらどうなるでしょうか。
このケースでは、損失が証拠金を上回る前に、一定の基準を上回ったところで、多くの取引業者が「マージンコール」という警告を発します。
このとき、投資家は追加の証拠金(追証)を差し入れます。それができなければ取引が自動的に決済され、損失が確定してしまいます。このシステムは「ロスカット(強制決済)」と呼ばれ、損失が証拠金を上回らないように取られた措置です。(P.28)
 
【投資スタイル】
取引には、いくつかのやり方があります。取引開始から決済までの期間によって、呼び名から手法、使用するツールまで異なってくるので、自分の投資スタイルを確立させることが重要です。
投資スタイルはおおまかに、取引期間の短い順に「スキャルピング」「デイトレード」「スイングトレード」に分けられます。
なお、これら投資手法によって、使うチャートの種類も異なります。
スキャルピング」は超短期売買のこと。取引開始から決済までの長くて数分、短ければ数秒という期間の取引です。わずかな利益を積み重ねていくスタンスです。円に換算すれば1回あたり1銭~数銭の利益を狙います。
デイトレード」は、10分程度から長くても1日のうちに決済を終わらせるトレードです。その日のうちに手じまいするトレードで、10銭から1円近くの利益を狙います。
こまめなチャートチェックが難しい職種の場合、スキャルピングデイトレードは不向きかもしれません。
そういった方には「スイングトレード」と呼ばれる手法がおすすめです。2日から1週間ほど保有するため、狙う利幅も大きめで、スワップポイントも期待できます。(P.38)
スワップポイント(スワップ金利)とは、金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買ったときに得られるインカムゲインのこと。
 
【IFD注文】
取引が成立したら、次の決済のための注文(反対売買)が自動的にセットされるのが「IFD注文」です。
たとえば、1ドル=120円でドルを買うという注文と同時に、1ドル=121円になったらドルを売るという注文を出しておきます。
二つ目の反対売買の注文は、最初の注文が成立したときに初めて有効となります。
IFD注文は利益確定を想定して出しますが、その逆の損切りのときにも使えます。パソコンの前から離れなければならなくなったときに、大きな損失を避けるためです。(P.58)
 
【OCO注文】
二つの注文を出して、一方の注文が成立したらもう片方の注文が取り消されるのが、「OCO注文」です。
たとえば高い為替レートになったときの「売り注文」、安い為替レートになったときの「売り注文」の二つを出し、先に該当するものが成立するという注文方法です。この二つの注文に優先順位はありません。
たとえば1ドル=118円で買いポジションがあったとします。
現在、円安が進行して1ドル=120円になって2円利益が出ています。今すぐ決済すれば2円の利益確定です。
しかし、円安がさらに進行すれば、進行した分の利益が得られません。
逆に円高になれば、利益が減ってしまう、あるいは損失をこうむってしまいます。
そこで、「121円の指値の売り注文」「119円の逆指値の売り注文」を同時に出すのです(前者では3円、後者では1円の利益確定になる)。これが決済注文を二つ出せるOCO注文です。(P.62)
 
【IFO注文】
IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法が、「IFO注文」です。
最初の注文が成立したら、あとは自動的にOCO注文が発動するという注文方法です。
たとえば1ドル=118円のとき、「1ドル=117円で買い」という注文を出します。
この注文が成立したときに、次のOCO注文が自動的に発動されるように設定します。
つまり、「1ドル=119円で売り」という利益確定の注文と「1ドル=116円で売り」という損切りの注文を同時に出せるのがIFO注文の特徴です(どちらかが成立したら、もう一方は不成立)。一度で「新規」「利益確定」「損切り」と、三つの注文ができるというスグレモノです。(P.66)
 
FX取引には、投資家がみずから売買し、利益を出すやり方である「裁量トレード」のほかに、自動売買ツールを使って取引する「システムトレード」があります。
取引業者が販売・提供する自動売買ツールは、あらかじめ設定されたプログラムが、為替の動きを読み取って、ルールに従い自動的に繰り返し売買をします。
「レートが前日の高値を抜いたら売り」というルールを設定すると、その条件を満たすタイミングで取引してくれるのです。つまり、「パソコンから目を離しているスキに、売買のチャンスを逃す」ということがなくなります。
(P.70)
→災害や有事、政情不安など、経済にダメージを与える不測の事態で大きく為替が動くときには対応できないというデメリットもある。
 
金利と通貨の関係】
金利を引き上げる・引き下げる」という金利政策は、各国政府が行っています。
景気が悪くなれば、市中に出回るお金の量が減ります。そこで金利を下げることによって、市中に出回るお金の量を増やし、景気刺激策とします。
好景気がつづくと、消費や投資に過熱感が出てインフレ懸念が生じます。そのため金利の"引き上げ"を行うことによって、市中に出回るお金の量を減らしてインフレ懸念を抑え込みます。
金利が上がるとどうなるか。金利が低いA国からすれば、金利が低いB国は投資先として魅力的になります。B国の銀行に預金すればより高い利息が得られるからです。そのため金利が高いB国の通貨の価格が上昇するのです。(P.80)
金利が上がると株価は下がるが、通貨の価格は上がる。
 
【円安の始まり】
2013年4月、日本銀行総裁に就任して2週間目の黒田東彦総裁は、「量的・質的金融緩和」を発表しました。
デフレ脱却を目標に掲げた金融緩和の内容は、2年間で前年比2パーセントの物価上昇を目指すもので、市場に供給するお金の量(マネタリーベース)を倍増させるというものでした。前年に発足した安倍政権の「大胆な金融緩和を」という要請に基づくもので、市場の予想を大幅に超える大胆な金融緩和でした。
いわゆるアベノミクスの一環です。
このサプライズで、米ドル-円は2円以上も円安に振れました。それまで1ドル=90円台前半だった為替は、ここから円安傾向に振れたのです。
10年債利回りは市場最低水準を更新し、市場に出回るお金の量が増えることで、円の下落が始まったのです。(P.86)
→円安の傾向は今もって続き、過去30年で最安水準になっている。
 
【デモ取引のススメ】
取引に慣れないうちは、注文ミスを犯しがちです。「売り」と「買い」を間違えたり、注文する「金額」を間違えたり…。
このような初歩的なミスを犯さないためにも、まずは取引ツールに慣れることです。
そこで、いきなりお金を使った取引をスターとさせるのではなく、FXを疑似体験できる「バーチャル取引(デモ取引)」を使って取引のしかたに慣れましょう。
バーチャル取引でトレーニングを積む目的は次の二つです。
①取引に必要な操作に慣れる
②自分の投資判断が正しかったかどうかをチェックする
あせらず、まずはバーチャル取引にチャレンジしてみましょう。(P.140)
→FXだけでなく、株式についても同様のデモ取引ができるアプリやサイトがある。
まずはこうした機能を使って感覚を掴んでいこう。