ねこみんの投資生活

ふつうの塾講師が適応障害をきっかけに投資を勉強していくブログです

【読書24冊目】現役大学教授が教える「お金の増やし方」の教科書 榊原正幸

【理想的な老後の資産額】
私はいつも、老後の理想的な経済生活に関して、次に示す単純な計算式を想定しています。それは、
2億円×3%+240万円=840万円
という算式です。
この算式の中の「2億円」は資金総額です。「3%」は目標とする「手取りの配当利回り」です。配当利回りとは、株価に対してどのくらいの配当が支払われるかの率を指し、株価が1,000円で配当が30円なら、配当利回りは3.0%となります。
「手取りの配当利回り」を3%にするためには、税込みの配当利回りを「3.75%」にする必要があります。配当には税金が2割ほどかかるからです。
(中略)
そして、「240万円」は、標準的な年金の受取額(手取り額)です。
この算式の右辺にある「840万円」は何を意味するかというと、「毎年つかうことができる生活費」です。
(中略)
老夫婦2人の標準的な年間の支出額は「約320万円」だそうです。それと比べると、「840万円」というのは、2.6倍以上です。標準的な世帯の年間支出額で生活した上に、毎月43万円をおこづかいとして使える感じです。めちゃくちゃ贅沢な老後ですね。(P.54~55)
→何不自由なく暮らせる水準が840万円とのこと。もちろん、その当時のインフレ率などによって額は変化するのだろうが、これだけの不労所得があれば少なくとも困窮することはなさそう。
 
株式投資の鉄則】
鉄則1 本業の所得の範囲内で生活する
鉄則2 副業(サイドビジネス)を立ち上げ、その所得は株式投資に回す
鉄則3 株式投資で稼いだお金は決してつかわずに、再投資して複利で増殖させる
 
この3つの鉄則を守りさえすれば、お金は自然とたまっていきます。(P.71)
 
【成功するサイドビジネス、3つの指針】
指針1 本業との関連性があって、自分の経験や知識が生かせる
指針2 自分が好きなことや、得意なことから選ぶ
指針3 その中で、自分だけが笑顔になることではなく、皆さんが笑顔になることをやる
(P.78)
 
【壮大なる年次計画】
「壮大なる年次計画」は各自のプランに応じて、1つひとつ手作業で作っていくべきものなのです。まずはとにかく、自分用の「壮大なる年次計画」を作ってみることをオススメします。
この「壮大なる年次計画」のエクセルで作ったフォーマット(ひな型)を、私のHPの以下のURLにして無料でダウンロードできるようにしています。皆さん自身で、ご自分用の「壮大なる年次計画」を作ってみてください。
※現在はダウンロードできない模様
(P.128)
→どれだけの額を投資に回すか、老後はどれだけの額を配当から受けとるor取り崩すかを年毎に詳細にまとめた計画のこと。計画を立てることで、漠然とした不安が無くなり、地に足をうけた投資が続けられるようになる。
 
BPS
BPSというのは「Book value Per Share」の略で、「1株当たりの純資産」を意味します。各企業の賃借対照表に記載されている純資産の額を発行株式総数で割ったものです。(P.149)
 
【銘柄選別の基本】
銘柄選別の基本ポリシーは「財務的に安全かつ健全な企業に絞ること」です。それがすなわち「安全かつ健全な投資」につながるからです。そのために、いくつかの基準を設けます。
第1に、投資対象を「東証1部上場企業」に限ります。
(中略)
次に、投資対象を「国際優良企業」と「財務優良企業」に絞ります。(P.153~154)
→今でいうプライム株の中から、絞りこんでいくということになる。
 
【国際優良企業の選別基準】
<第1基準>
毎年10月31日において、東証TOPIX Core30とTOPIX Learge70に該当している大企業
<第2基準>
海外売上高比率が30%以上
<第3基準>
1日平均の売買代金が30億円以上
<第4基準>
BPSの値が500円以上、かつ、自己資本比率が30%以上
(P.155)
→海外売上の国別内訳なども、考慮した方がよさそう。
 
【1日平均の株式の売買代金】
「1日平均の売買代金」の求め方の詳細は、次のとおりです。
まず、「Yahoo!ファイナンス」で過去1年分の株価データを採ります。「Yahoo!ファイナンス」で上のウィンドウに各企業の銘柄コード(または企業名)を入力して検索すると、各企業の最初のページが出てきます。そこにあるタグの左から3つ目に「時系列」というタグがありますので、それをクリックします。すると、直近の営業日までの株価データが日足(1日ごと)で出てきます。
そのページの下のほうに、期間を設定するところがありますので、そこで「月間」を選択して「2019年1月から12月まで」を入力し、「表示」をクリックします。
そうやって得られた株価データを範囲選択してコピーし、エクセルの白紙ページに貼り付けます。これでデータベースの取得は終了です。
この株価データから「1日平均の売買代金」をどうやって求めるかですが、私は以下のような順序で概数で算出しています。
①毎月の(「株価の高値」+「株価の安値」÷2)×「出来高」=「毎月の売買代金」
②「毎月の売買代金」を1月~12月まで合計する
③「毎月の売買代金」の1年間の合計額を「244」で割る(1年の営業日数は概ね244日です)
(P.157~158)
→株式市場の注目度合いを客観的に判断する指標として使える。
 
【財務優良企業の選別基準】
<第1基準>
東証1部に上場している企業
<第2基準>
純資産額が500億円以上
<第3基準>
純資産額が1,000億円以下の企業は、1日平均の売買代金が1億円以上
<第4基準>
BPSの値が1,000円以上、かつ、自己資本比率が60%以上
(P.160)
 
【インカム・キャピタルの両取り】
ここで解説する長期投資は、基本的にこの配当重視型の投資です。ですから、受取配当(インカムゲイン)を中心に据えて投資するのですが、インカムゲインだけではなく、売買益(キャピタルゲイン)も考慮に入れて、それらの両取りを狙います。
すなわち、原則的には配当の受け取り(インカムゲイン)を中心的な目的として投資するので、長期的な投資スタンスを採ることになるのですが、ずっといつまでも保有し続けるだけではなく、一定の高値になった時には売却して、売買益(キャピタルゲイン)を実現させます。(P.168)
→高配当・増配企業が中心の投資方法=保有する株の価格が青天井でないことが前提なのだろう。バリュー株投資の考え方とは一線を画していることに注意したい。
 
配当利回りの目安】
配当利回りは、原則として予想値ベースの配当額を基礎として計算します。(予想値ベースの配当額が公表されていない場合は、やむを得ないので直近の本決算における確定値ベースの配当額を用います)。これも、各企業HPのIR情報のページなどでチェックします。
目標とする配当利回りは、「3%~5%」です。この基準に達した銘柄が買いの候補になります。(P.175)
 
【安定高配当銘柄の選別基準】
(1)過去20年間の配当額が安定的(リーマンショック直後の2009年とコロナショック直後の2020年を除く)
(2)安定株主比率が25%以上
(3)配当額が高額(1株当たり30円以上)で、配当額のブレが少ない
(4)国際優良企業ー配当性向が20%以上
(5)財務優良企業ー1日の出来高の平均値が概ね5万株以上
(P.177~178)
→(4)(5)は該当した場合に、プラスして確認する数値
 
【安定株主】
安定株主とは、その企業の経営者や従業員、あるいは金融機関や取引先企業など、長期にわたってその株を保有すると考えられる株主のことです。この安定株主比率は高ければ高いほど、配当額の安定度も高くなります。安定株主が配当の減額を嫌がるからです。そういった「減配への抵抗勢力」は多ければ多いほど安心です。
安定株主比率を調べるには、「会社 四季報」(東洋経済新報社)等の資料集で各企業の株主構成を見ます。また、ネット証券会社によっては、個別企業のページで「四季報」として情報が掲載されている場合もあります。(P.182)
 
【目標金額に達したら配当を言い訳にせずさっさと売る】
配当の受け取りに対する考え方を整理してみましょう。
配当額が高いことは、配当を受け取るわれわれ個人株主からすると嬉しいことです。しかし、高値(目標の売り値)になっているのに「売らない理由」にしてはいけないのです。目標の売り値になったら、配当額が高くてもそのことにはこだわらずに、さっさと売りましょう。
一方で、配当額が高い、すなわち、買った時の配当利回りが高いということは、目標の売り値になるまでに時間がかかったしまった場合には、1つの「安心材料」にはなります。
たとえば、年間の配当額が安定的に200円ある企業の株を5,000円で買ったとします。配当利回りは4%です。そして、この銘柄の目標の売り値を7,000円とします。
この企業の価値が下がってしまい、4,500円前後でずっと低迷してしまったとします。そういった場合には、1年とか2年とかの長期で保有して、株価が目標の売り値(もしくは最低でも買い値以上)になるまで待つことになります。この時にこそ、配当利回りが高いということが「安心材料」になるので、長期保有の理由(悪くいえば「言い訳」)にしてもよいということになります。
つまり、配当額が高いとか、配当利回りが高いというのは、高値の時に保有を継続する言い訳にしてはならないのですが、安値が続いた時には、最低限の安心材料にはなる、というわけです。想定以上に株価が低迷してしまった場合にも、最低でも「3%~5%」の利回りは得られそうなので、「無理な損切りはせずに、じっくり構えるか」と考えられるようになります。(P.198~199)
→配当は株価の下落場面における精神の安定剤として機能する。
 
株主優待の最適解】
一般論として株主優待は、企業側が「長期保有の個人株主を増やすこと」を目的に行っていることも多く、100株の優待が一番割がいいように設定されているものも散見されます。そういった場合は、100株だけ保有して、最高の効率で株主優待を利用するのが、最適な方法だといえます。(P.201)
→株式優待の内容が100株以降変わらない場合、株式の口数を増やせば増やすほど、"株主優待の利回り"は低下していくことになる。
 
【売りの目標株価の計算方法】
原則的な売りの目標株価は、
「基準最安値」×(1+「売りの目標利回り」)
で求めます。そして、その株価に到達したら「売り」です。(P.214)
→売りの目標利回り=目標配当利回りの10倍
例)目標配当利回り4%の場合、×10で売りの目標利回りは40%。
株価が暴落した場合は、最安値を更新して計算し直す。