ねこみんの投資生活

ふつうの塾講師が適応障害をきっかけに投資を勉強していくブログです

【読書6冊目】いちばんカンタン!株の超入門書 改定3版 安恒理

東京証券取引所の再編】
2022年4月、日本最大の株式市場「東京証券取引所(東証)」が再編されました。「一部」「二部」「ジャスダック」「マザーズ」の四市場が統合され、「プライム」「スタンダード」「グロース」に整理されます。
再編の理由は「東証一部」の銘柄数が多すぎるうえ、各市場の特徴も不明確だったこと。外国人投資家や個人投資家にわかりやすく魅力的な市場にして、投資を呼び込むのが目的です。
プライム市場は日本でも屈指の有力企業が集まる市場となり、「流通時価総額が100億円以上」などの条件が課されます。
一方、中小型株が集まるのがスタンダード市場、成長期待の大きな新興企業が集まるのがグロース企業です。
一部上場銘柄のなかには、プライム市場の条件に合わず、スタンダード市場に振り分けられるものもあり、株価にマイナスの影響を与えるおそれがあります。
一方、プライム市場に上場したり、TOPIX(東証株式指数)に新規で採用されたりした銘柄は、株価の上昇が見込まれます。(P.18~19)
 
株主優待配当利回りに含めると…】
配当に株主優待を加えた実質配当利回りが5%を超える銘柄も少なくありません。
どの会社がどんな株主優待を行っているかは、Yahoo!ファイナンスなどでカンタンに確認できます。
また、株主優待を受けるには、会社の権利確定日に株主であることが必要となります。権利確定日の2営業日前(権利付き最終日)までに株を買う必要があるのです。
また、株主優待や配当狙いで注意しなければならないのは、権利確定日前は株価が高くなる傾向にあることです。せっかく株主優待や配当をもらっても、権利確定日後に値が下がり、それ以上の売却損が出てしまっては意味がありません。(P.28)
→買い時に注意しよう。
 
【株価が動くタイミング】
どのようなときに株価が動きやすいのかを見ていきましょう。まず一番の要因は、会社の業績の良し悪しです。業績が上がれば、企業からの配当などのリターンに期待が膨らみ、投資家の人気を集めることになります。逆に、業績が下がれば投資先としての魅力が薄れてしまい、株価は下落することになります。
また、業績に関係してくるのが新製品(サービス)の発表などです。製造業などは工場新設も事業を発展させるための手段となるので、一つの判断材料となります。
これら会社の業績に関することは、テレビやネット、新聞などのニュースでチェックするよう習慣づけましょう。
もちろん、業績だけでなく、会社を取り巻く経済や政治の状況も株価に影響を与えます。株価は一般に、景気が良くなれば上がり、悪くなれば下がります。(P.30)
 
投資家が買える株は、日本の株だけでも4000銘柄近くあります。では、これだけの銘柄の株価をどうやってチェックすればいいのでしょう?
もっともポピュラーなのが、インターネットの総合情報サイトヤフー・ジャパンが運営する「Yahoo!ファイナンス」で、株価は一部の市場を除き、リアルタイムで表示され、値動きをチャート(グラフ)で確認できます。
とくに重点的に見ておきたいのが業績です。
直近の業績に加え、将来の業績予想もチェックしましょう。
ほかにも前日の「値上がりランキング」「値下がりランキング」、割安度を示す指数も閲覧できます。
株主に還元される「配当」や「株主優待」も見ておきます。(P.34)
→業種別に検索することもできる。銘柄コード(証券コード)を知っておくと便利。
 
【成行注文・指値注文】
株価はめまぐるしく動いています。そこで「いかに安く買うか」が重要なポイントになってきます。
「いくらでもいいから買いたい」ならば、「成行」注文を出します。かなり高い確率で買える半面、値動きが激しいときなどに思わぬ高値でつかまされるケースも出てきます。
これに対し「いくらで買う」と指定する場合は「指値注文」を出します。株で儲けるには1円でも安く買いたいわけですから、現状より安い価格を指定することになります。
たとえば、1株405円の銘柄を400円以下で買いたいときは「400円で買いたい」と指定するのです。この場合、株価が400円以下になってはじめて注文が成立します。(P.46)
指値注文は、その日のうちに取引が成立しない可能性もあるため、注文期限を設定することができる。
 
持っているお金の範囲内で株を買うことを「現物取引」といいます。これに対し、自分が持っているお金以上に多くの株を買うこともできます。これが「信用取引」です。
信用取引には、「信用買い」と「信用売り(空売り)」があります。信用買いは、株を買うお金が足りないときに、証券会社などからお金を借りて株を買います。証券会社に預けているお金が100万円あったとしたら、現物取引で買える株は100万円分(手数料込み)までですが、信用買いならおよそ3倍の300万円分の株を買うことができます。
現物取引では、実際に株を持っていないと売ることはできませんが、空売りという方法なら「先に株を売ってから、そのあと株を買い戻す」ことができます。この場合、証券会社などから株を借りて市場で売り、そのあとで株を買い戻して証券会社に返します。(P.54)
→FXのレバレッジと似たような取引の仕方。利益が大きくなる可能性はあるが、逆に損失が大きくなる可能性もある。
 
【単元未満株】
単元株数以下の株数で売り買いできる投資法もあります。これは「単元未満株」といわれ、1株から購入することができます。
株価が4000円の銘柄の場合、通常の取引では40万円が必要ですが、単元未満株なら1株4000円から買い付けが可能になります。
(P.58)
通常は100株での売買。単元未満株は少額の資金で取引できるが、取扱いの銘柄数や注文方法が限定されるほか、各社で決められた単位の株数になるまで株主優待が受けられないといったデメリットもある。
 
【ポイント運用】
買い物のオマケとしてついてくるポイント。このポイントを使って行う投資が注目を集めています。ポイント投資には主に3つの方法があります。
①ポイントを運用して増やす
②ポイントで投資信託を購入する
③ポイントで株式(単元未満株)を購入する
②、③では、価格変動による利益も狙えます。(P.60)
楽天ポイント、Tポイントなど、様々な種類がある。
 
【ファンダメンタルズ分析・テクニカル分析
会社の業績は株価に大きな影響を与えますが、それだけに目を奪われてはいけません。今後の業績にかかわる経済環境もチェックしたいところです。そのためには経済成長率や為替などを見ます。
株価を動かすこれらの要因をもとに値動きを予測することを「ファンダメンタルズ分析」といいます。株価水準や出来高などから市場心理を読んで値動きを予測する「テクニカル分析」と並び、株式投資には必要な予測法です。
(P.64)
→長期投資は主にファンダメンタルズ分析、短期投資は主にテクニカル分析を行う。
 
決算短信で会社の業績を見る】
上場企業は年4回、3か月ごとの決算が義務づけられており、「決算短信」として一般投資家にも開示されます。
(中略)
決算短信では、まず「売上高」「営業利益」「経常利益」「当期純利益」が会社の営業成績として示されます。
それぞれの項目があらわす意味から説明していきます。
「売上高」…商品やサービスを提供して、収入としてどれだけのお金が入ったかを示します。
「営業利益」…売上高から「売上原価」「販管費」を差し引いたもの。本業によって得られた利益を示します。株価に一番インパクトがある利益といえます。
「経常利益」…本業以外の収益と費用を合算して出た数値。「有価証券の売却益」「不動産の売却益」などが加味されます。
当期純利益」…経常利益から税金を支払った残り、さらに1株当たり利益や配当も示されます。(P.74)
損益計算書、賃借対照表など財務諸表の見方も勉強する必要がありそう。
また、「有価証券報告書」という企業が出すレポートを読み込んで分析する方法もある。
 
【PER(株価収益率)】
株取引でよく使われる指標にPER(株価収益率)があります。株価収益率というと少し難しく思えますが、カンタンにいえば「株価が1株当たりの利益の何倍か」ということなのです。つまり、PERが低いほど会社が生み出す利益に対して株価が割安、ということになります。
具体的な計算方法は「株価を1株利益で割る」となっています。
たとえばA社の1株利益が200円だったとします。株価が5000円だとしたら、A社のPERは25倍になります。言い換えると、「A社に投資したお金の回収まで25年かかる」ということになります。
これから株を買うのなら、なるべくPERが低い銘柄を選ぶべきです。その際に気をつけたいのが、業種によってPERの水準が異なること。たとえばIT関連企業は、成長力への期待が高く、PERが高い(100倍を超えるPERも珍しくありません)傾向にあります。たんに数字だけを見るのではなく、同業他社と比較してみましょう。(P.80)
→PERが高いということは、その会社の本来の価値以上に株価が高騰している状態ということ。長期で考えると、そう」いった状態の会社の株価は下がると考えられるので、避けた方が無難かもしれない。
 
【PBR(株価純資産倍率)】
PERが株価を利益から判断するのに対し、株価を会社が持っている財産(純資産)から判断するモノサシがPBR(株価純資産倍率)です。
これは、株価を1株当たりの純資産(BPS)で割って求められ、会社が仮に解散したときの株主の取り分を示します。
PBRが1倍なら、株価と同じ資産を受け取れることになります。PBRが1倍を割っていたら、解散価値より株価が下回っているということになります。そのため、PBRが1倍未満ならその会社の株価は底値圏にある、との見方ができます。(P.82)
→会社の解散価値に対して、株価が1倍より大きいなら実際より大きい評価、1倍未満なら実際より小さい評価をされている。その後、長期的に見れば、会社の価値に見合った株価に収束すると考えられるため、やはり株価がどう変動するか判断する材料になる。
 
企業の収益性を測るモノサシもあります。それがROE(株主資本利益率)です。
これは、株主の持ち分である株主資本に対して、どれだけの利益が上がっているかを示します。求め方は、税引き後の利益(当期純利益)を株主資本で割ります(×100=%)。
ROEが高いと、会社が株主資本を効率良く使い、利益を上げるために上手な経営が行われていることを示しています。逆にROEが低い場合は、資金をうまく使いこなせない下手な経営を行っていることになります。(P.84)
会社四季報や各証券会社のサイトで確認することができる。
 
【相場のトレンドを掴む】
ローソク足で目先の動きを探ることも大事ですが、相場の大きな流れ(=トレンド)をつかむのも大切です。株価は刻一刻と動いており、小刻みに上げ下げを繰り返します。
その小さな動きのほかに、トレンドという大きな流れがあります。上昇基調なら「上昇トレンド」、下落基調なら「下降トレンド」、値動きが一進一退の状況なら「横ばいトレンド」であらわされます。
トレンドの求め方は、次のように自分でラインを引きます。
株価は小さな「山」と「谷」をかたち作りながら動いていますが、上昇トレンドなら、小さな「谷」(安値)と「谷」を結んで線を引きます。
右肩上がりの一本の線が引けますが、これが上昇トレンドライン。とくに「下値支持線」といいます。上昇している株価が下落し、この下値支持線あたりにくると、反転上昇しがちです。
反対に、下降トレンドなら「山」(高値)と「山」を結びます。この右肩下がりの線が「上値抵抗線」です。株価が一時的に上昇しても、この上値抵抗線あたりの価格で下落に転じることが多いといえます。(P.102)
 
【利益確定・損切りの基準を決めておく】
投資スタイルを確立し、買おうとする銘柄を決めたら、買ったあとのシナリオも作ります。株価がどこまで上がったら利益確定するか、逆にどこまで下がったら損切りするかなど、あらかじめ対処法を考えておくのです。
このようにシナリオを作っておけば、売買のタイミングを逃すこともありません。さらに、そのシナリオを実行する強い意志も必要です。想定していた利益各低水準まで株価が上昇したときに「まだ上がるのでは?」と欲を出したら失敗のもとです。(P.114)
→投資行動において、利益が出ていると、人は損を恐れて利益確定を急ぎ、逆に損失が出ていると、人は取り戻そうとしてさらにリスクを取りたがる傾向がある。これを行動心理学において、プロスペクト理論という。
 
ナンピン買い】
損切りのほかに「ナンピン買い」という対処法もあります。これは、買った株が予想に反して値下がりしたとき、その株を買い増し、"平均購入単価を引き下げる"方法です。
たとえば1000円の株を100株買ったあとに、株価が800円まで下がったとしましょう。そのとき、さらに100株買い増したとすれば平均購入単価は900円。トータル900円で200株購入したのと同じになるわけです。ですから、その後、900円まで株価が回復すれば、損益はゼロになります。(P.118)
→買い増ししたあとも株価が下落し、傷口を広げる恐れもある。下値支持線を下回り、さらに下がりそうな時は避ける。
 
【株価が低いのには理由がある】
株価が低い銘柄のほうが、値上がりの余地が大きく思えます。いまは業績が悪く、安値に放置されている銘柄も、将来、業績が良くなれば値上がりを期待できるからです。
極端に安値に放置されている銘柄は業績の見通しが悪いケースが多いのです。とくに1株100円を割った銘柄は「倒産予備軍」といってもいいでしょう。(P.144)

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