ねこみんの投資生活

ふつうの塾講師が適応障害をきっかけに投資を勉強していくブログです

【読書8冊目】はじめての人のための3000円投資生活 新NISA対応版 横山光昭

【新NISAはメリット】
新NISAの制度は、なんと恒久的に利用でき、非課税期間は無期限です。
年間に購入できる額は、つみたて投資枠(投資信託を積立で買う枠)が120万円まで、成長投資枠(投資信託や個別株式、ETFなどを買う枠)が240万円までと大幅にアップします。
しかも、これまでは、NISAとつみたてNISAを同時に利用することはできませんでしたが、新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を両方利用することが可能となるのです。
そして、非課税となるトータルの投資額(生涯投資枠)は、NISAが最大600万円まで、つみたてNISAが800万円までだったのに対し、新NISAでは1800万円まで(うち、成長投資枠は1200万円まで)と、やはり大幅にアップします。
このように、新NISAの口座では、従来のNISAやつみたてNISAとはけた違いの額の投資信託や個別株式などを買うことができるようになります。
しかも、そこで得られた利益には、税金がいっさいかからないのです。
たとえば、20代の人が月に3万円、年に36万円ずつ、積立で投資信託を買い、年利6%で50年間運用したとすると、最終的に得られる利益は約9500万円です。
課税口座なら約1900万円の税金がかかりますが、新NISAの口座なら、それが全額免除されるわけです。(P.38~40)
 
【新NISAは非課税投資枠が復活する】
従来のNISAやつみたてNISAでは、ある年の非課税投資枠で投資信託や個別株式を買い、それを売却すると、その非課税投資枠を再利用することができませんでした。
おまけに、年をまたいで、使わなかった過去の非課税投資枠を利用することもできませんでした。
しかし、新NISAでは、ある年の非課税投資枠で買った投資信託や個別株式を売却すると、翌年以降、その非課税投資枠を再利用することができます。
たとえば薄価(金融商品の取得価格。ざっくり言うと、元本のこと)で500万円分の商品を売却した場合、従来の制度だと、以後非課税で運用できるのは、残りの1300万円の商品だけでした。
ところが新NISAでは、500万円分の商品を売却すると、翌年以降、新たに500万円分の商品を買うことができます。
売却した後、500万円分の枠が復活しないとすれば、現金化するのに躊躇してしまいますが、枠が復活するのであれば、安心して現金化できます。
つまり、投資で増やしたお金を適宜、必要なタイミングで使えるようになったのです。
(P.41~42)
→金融関係者に100点満点に近い制度、と評されるのも頷ける。
 
【月々3000円から始めるメリット】
なぜ月々3000円なのか?
「初めて投資をする方が、おそらく、あまり怖さを感じずに投資に回せる金額」であり、かつ「投資の面白さがギリギリ体感できる金額」だからです。
月々1万円だと、ちょっと額が大きすぎて怖いと思う人、いきなりそれだけの額を投資にまわすのが難しいという人もいるでしょう。
かといって、月々1000円だと、特に最初のうちは、あまりにも得られる利益が少なすぎて、「お金が増えていく」投資の面白さを味わうことができません。
いろいろと考えた末、月々3000円という金額こそ、「今まで投資をしたことがない」「投資が怖い」「投資にまわすお金がない」という方に、一日でも早く投資を体験し、そのメリットを知っていただくのにぴったりだと思ったのです。(P.45~46)
 
【慣れたら投資額を増やす】
よく誤解されるのですが、3000円投資生活は、「ずっと、月々3000円の投資を続けましょう」というものではありません。
すでにお伝えしたように、あくまでも、
「今まで投資をしたことがないので、どんなものか試しにチャレンジしてみたい」
「いきなり多くの投資にまわすのが怖い」
「将来に備えて貯金もしたいので、あまり多くのお金を投資にまわすことができない」
といった方々に、月々3000円の投資からスタートして、まずは投資に慣れていただくというものです。
投資のやり方がわかり、面白さを感じられた方、ある程度貯金ができた方、投資によってお金が着実に増えていくと実感できた方は、ぜひ、毎月の投資金額を増やしていってください。
当然のことながら、投資にまわすお金が増えれば増えるほどに、あとで手にするお金が大きくなります。(P.57~58)
 
複利効果を味方につける】
最初の数年の利益は非常に微々たるものです。
月々3万円ずつ、年利6%で運用できたとしても、1年後の利益は約1万円、3年後の利益は約10万円、5年後の利益は約29万円。
(中略)
しかし、10年後の利益は約131万円、20年後の利益は約666万円、30年の利益は約1933万円と、時間が経てば経つほど、複利効果で利益はどんどん大きくなり、40年後には投資額の3倍にあたる、約4534万円もの利益が得られます。
ですから、最初のうち、あまり利益が出ないからといって、どうか投資をあきらめないでください。(P.62~63)
→貯金感覚で積み立てるのが吉。
 
【森信親さんの改革】
投資にもいろいろなやり方がありますが、国が特に重視したのは、投資信託でした。
少ないお金で、プロが選んださまざまな会社の株式や債券を持つことができる投資信託なら、人々が安全にお金を増やせると考えたからです。
しかし、かつての日本の投資信託の中には、ひどい商品もたくさんありました。
国がどんなに人々に投資をすすめたくても、いい商品がなければ意味がありません。
そこで、思い切った政策を実行したのが、2015年から2018年まで金融庁長官を務めていた森信親さんです。
金融庁では、森さんが長官になる直前の2014年からNISAをスタートさせていましたが、利用者はなかなか増えず、「貯蓄から投資へ」の動きはなかなか進みませんでした。
森さんは、その原因は、「お客さんに、質の良くない投資信託を売りつける」「お客さんに、投資信託をしょっちゅう買い替えさせて手数料を稼ぐ」など、自分たちがもうけることばかりを考えて投資信託を売る、証券会社や銀行などにあると考えました。
「手数料獲得が優先されるビジネスは、そもそも社会的に続ける価値があるのでしょうか」と、講演で語ったこともあります。
そして、自分たちの利益より、お客さんの利益を優先するよう、証券会社や銀行を指導し、お客さんの利益にならない商品は名指しで批判しました。
また、若い人たちに早いうちに投資を始めてもらうため、2015年から、未成年でも証券口座を開き、投資ができるよう法律を変えました。
さらに、2018年からは、毎月コツコツと投資信託を買うことを支援する仕組みとして、「つみたてNISA」もスタートさせました。
これは、ある条件(1年あたり40万円以内、最長20年間)のもと、積立で投資信託を買って得た利益に対しては、税金がかからないという制度です。
しかも森さんは、つみたてNISAの対象となる投資信託ETFの条件を細かく設定し、それをクリアした投資信託金融庁のお墨つきを与えました。
こうした森さんの努力によって、お客さんのお金を増やし、経済の成長にもつながるような質の良い投資信託が少しずつ増え、初めての人でも安心して投資を始められるような仕組みが整っていったのです。(P.77~79)
 
【投資で貯金体質になる】
投資を始めて、お金に対する考え方が変わったという方も少なくありません。
「『節約して貯金するだけ』の生活は少し辛かったけれど、貯金と並行して投資を始めてからは、節約するのが楽しくなった」
「ついつい誘惑に負けて無駄遣いしそうなとき、『このお金を投資にまわそう』と思うと我慢ができる」
これらも、3000円投資生活を始めた方から寄せられた声です。
何らかの目的があって「お金を貯めなければ」と思っても、支出をひたすら削り、我慢し、貯めるだけでは、人はなかなかモチベーションを維持できません。
超低金利の今の時代、どれだけ欲しいものを我慢し、貯金しても、「1」はいつまでたっても「1」のままですから、「我慢したわりに、見返りが少ない」と感じ、フラストレーションがたまったり、むなしさを感じてしまったりすることもあるでしょう。
その点、投資の場合は、カンタン・安全なやり方さえ選べば、「1」が「1.1」「1.2」…と少しずつ増えていく可能性があります。
「投資できる額が増える」と思えば、節約にも身が入るようになるでしょう。
投資を始めた結果、「ただ貯金だけをしていたときよりも、貯金体質になった」という人が意外と多いのです。(P.85~86)
行動分析学的に言えば、「投資」することで資産が増えていくのを見ることが「好子」となり、それにつながる「入金」、「節約」といった行動が強化されていくのだろう。
 
【証券口座開設の流れ】
いずれの証券会社でも、NISA口座を単体で開設することはできません。
その証券会社に総合(課税)口座を持っている場合は、NISA口座を追加で開設し、総合口座を持っていない場合は、総合口座とNISA口座をまとめて開設することになります。
総合口座を持っていない場合は、その証券会社の「口座開設」のページを見てみましょう。
たいていは、まずメールアドレスを入力し、送信する(メールアドレスを登録する)形になっているはずです。
その後は、
①メールアドレスに届いた確認メールに記載されているURL(口座申込みのページ)に飛ぶ
スマートフォンで運転免許証もしくは個人番号カードを撮影しアップロードする。
③顔写真の撮影をする
④氏名・住所などの本人情報を入力し、ログインパスワードを登録し、NISA口座を同時に申し込む。
⑤審査完了後、メールでログインIDが送られてくる。
⑥証券会社のサイトにログインし、初期設定を行う。
といった流れになるはずです。
②で運転免許証・個人番号カード以外の本人確認書類を利用する場合や、スマートフォンでなくパソコンから本人確認書類を提出する場合は、ログインIDと初期パスワードが書留郵便で送られてきます。
すでに総合口座を持っている場合は、証券会社にログインして、NISA口座の申し込みを行い、本人確認書類をウェブ、もしくは郵送で提出し、税務署での審査を経て、手続きが完了することになります。
なお、総合口座を開設する際、必ず「口座種別」(納税方法)を選択することになります。
具体的には、「特定口座 源泉徴収あり」「特定口座 源泉徴収なし」「一般口座」のいずれかを選ぶことになりますが、新NISAでの投資がメインで、課税口座をほとんど利用しないのであれば、「特定口座 源泉徴収なし」を選んでおくと良いでしょう。(P.93~95)
 
【インデックスファンドを組み合わせる】
新NISAを利用して、安全に、かつできるだけ利益が見込める投資をするにはどうすればいいのか。
現時点で私がおすすめするのは、
①全世界株式インデックスファンド
②全米株式インデックスファンド
新興国株式インデックスファンド
の3種類を、積立で買うことです。
具体的な銘柄は、次ページの通りです。
 
①全世界株式インデックスファンド
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)」(楽天投信投資顧問)
または
「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド(SBI VT)」(SBIアセットマネジメント)
②全米株式インデックスファンド
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)」(楽天投信投資顧問)
または
「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(SBI VTI)」(SBIアセットマネジメント)
新興国株式インデックスファンド
eMAXIS Slim 新興国インデックス」(三菱UFJ国際投信)
また、①:②:③=6:3:1の割合で買うことをおすすめします。(P.103~106)
 
【国の分散もリスク分散】
なお、みなさんが月々1万円を投資にまわし、106ページでおすすめしたような配分で投資信託を買った場合、全世界株式インデックスファンドを月々6000円分、全米株式インデックスファンドを月々3000円分買うことになります。
そして、全世界株式インデックスファンドの約60%(3600円分)と、全米株式インデックスファンドのほぼ100%(3000円分)がアメリカの会社の株式ですから、みなさんは毎月、1万円中の約6600円分、つまり約66%をアメリカの会社に投資することになります。
もしみなさんが投資に慣れ、ほかの投資信託を買いたいと思ったときや、購入する投資信託の配分を変えたいと思ったときは、利回りや手数料だけでなく、「その投資信託が、どの国、どの地域のどのような会社の株式を買っているのか」をきちんと確認し、「トータルで、どの国に何パーセント投資をすることになるのか」を常に考えるようにしましょう。
それが、ある特定の国や地域に偏りすぎず、バランスよく投資するためのコツです。
近年、全米株式インデックスファンドが非常に好調でしたが、それよりも全世界株式インデックスファンドの比率を高めているのは、投資先がアメリカの会社に偏りすぎるのを避け、リスクを分散させるためなのです。
(P.118~119)
 
【許容度はやってみないと分からない】
リスク許容度とは「リスクをどれだけ許容できるか」、つまり「確実ではないこと、思いがけず大もうけしたり大損したりする可能性があることを、どれだけ受け入れられるか」を意味します。
リスク許容度は人によってまったく異なりますし、収入が高いからといって、リスク許容度も高いとは限りません。
収入が高くても、安定志向で、不確実なことはできるだけ避けたいという「リスク許容度が低い」人や、収入がさほど高くなくても、たとえ資産がマイナスになっても、それに耐えることができる「リスク許容度が高い」人はたくさんいます。
そして、特に投資をしたことがない人、初めて投資をする人、投資を始めて間もない人の中では、自分がどれだけリスクを受け入れられるかが固まっていません。そのため、自分がいくらまで投資にお金をまわしていいかを判断することができないのです。
投資に対するリスク許容度を知るためには、投資に慣れる必要があります。
私がみなさんに、月々3000円からの投資をおすすめしているのは、少額で投資を始め、投資に慣れていく中で、少しずつご自身のリスク許容度の見当をつけ、無理なく投資を楽しんでいただきたいからなのです。
(P.159~160)
 
【ボーナスもドルコスト平均法
中にはボーナスなどでまとまったお金が入ったときに、その一部を投資にまわしたいという人もいるでしょう。
その場合も、特に投資を始めて間もないうちは、毎月の投資額に少しずつ上乗せして買ったほうがいいかもしれません。
たとえば、6月に半期分のボーナスが入り、投資にまわせるお金がそのうち12万円あったとします。一気に12万円分の投資信託を買うことももちろん可能ではありますが、7月以降半年間の月々の積立投資額を2万円ずつアップしてみましょう。
というのも、投資信託の基準価格は日々変動しており、一気に12万円分の投資信託を買うと、そのときの基準価額が高かった場合、高値づかみとなり、利益が出にくくなるおそれがあるからです。
しかし、12万円を2万円ずつ×6か月に分散させれば、買うタイミングが分散され、その危険性をある程度減らすことができます。
(P.165~166)
→ボーナスもドルコスト平均法に乗せる。
 
投資信託を売却するとき】
月収7.5か月分の、生活防衛資金としての貯金を確保しつつ、みなさんにはぜひ、新NISAを利用しての投資を、「10年後、20年後に、より豊かで幸せな人生を歩むための貯金」ととらえていただきたいと私は思っています。
そして、
事業を起こしたい。
子どもが塾や私立の学校に通うことになり、学費が必要になった。
家や車を買いたい。
趣味のために高価な道具を買いたい。
家族で思い出を作るための旅行に行きたい。
など、まとまった現金が必要なときには、積立購入した投資信託の一部を売却することも、一つの選択肢だと考えてください。
もっとも、その際、たまたま基準価格が低く、売却すると損をしてしまうような場合は、できれば売却を見合わせましょう。
(P.180~181)
 
ETFは新NISAと相性が良い】
ETFとは、証券取引所に上場している、市場で売買できる投資信託のこと。
少し難しく感じますが、市場が開いている間(日本なら平日午前9時から午後3時)に取引でき、個別株式と同じように値動きを見つつ、自分が希望する株価を指定して購入できるものです。つまり、「価格が下がったときに多く買い、大きなリターンを得る」という、誰でも一度は考えることを狙えるのが、ETFへの投資となります。
しかも、ETF投資信託であり分散投資ができるため、個別株式への投資に比べると安全性が高いのです。
ですから、私は、みなさんにはぜひ、つみたて投資枠の積立購入に加え、良きタイミングを見計らって、成長投資枠でETFを買っていただきたいと思っています。
それが、現時点で私が考える、新NISAを利用したより良い投資方法であり、この本でもっともお伝えしたい投資方法でもあるのです。(P.188~189)
ETFも株式と同様、指値注文、成行注文それぞれが可能。
 
ETFの一括購入がおすすめ】
・一般の投資信託に比べ、ETFには信託報酬(投資信託を運用している間、投資家が運用会社に支払い続ける報酬)が安いというメリットがある。
・一般の投資信託と違い、リアルタイムで売買できるため、価格が下がったときを狙って買うことで、大きなリターンを狙うことができます。
投資信託は円資産、VTやVTIのようなアメリカのETFはドル資産になるので、通貨のリスクヘッジができる。
・なお、円高のときにドルを買っておき、そのドルでETFの価格が下がったときに購入するのが理想。
ETFを売却するとき、円安であれば為替差益も得られる。もちろん、ETFの値上がりによる利益も得られる。
・二重の意味でおトクなので、日本円で積立購入するだけの投資より、リターンを大きくできる可能性がある。(P.192)
→為替差益で損をする可能性もある。慎重に買い時、売り時を判断したい。
 
【買うべきETF
成長投資枠を使って、みなさんに一括購入していただきたい商品をあらためてお伝えしましょう。
それは、
VT(正式名称:Vanguard Total World Stock Index Fund ETF、バンガード・トータル・ワールドストックETF)
VTI(正式名称:Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)
という2つのETFです。
VTは「楽天VT」や「SBI VT」、VTIは「楽天VTI」や「SBI VTI」の大もととなっているETFです。
(P.205~206)
 
【バンガード社】
VTやVTIの正式名称の冒頭の「バンガード」というのは、アメリカの投資運用会社・バンガード社のことです。
バンガード社は、個人投資家の利益を追求する運用会社として深く信頼され、「世界最強の運用会社」ともいわれています。
実は、1976年に、世界で初めて個人投資家向けのインデックスファンドを生み出したのはバンガード社でした。
バンガード社の設立者であるジョン・ボーグルは、個人投資家が金融機関に高額な手数料や信託報酬を取られ、頻繁な商品の売買をすすめられ、損をさせられている状況を憂い、コストが低く、ローリスク・ローリターンなインデックスファンドを開発したのです。
当初、「市場平均に連動させる」というインデックスファンドの考え方は、一般投資家に理解されず、「ボーグルの愚行」とまで言われ、売り上げはまったく伸びませんでしたが、インデックスファンドという商品の長所や「個人投資家の利益を追求する」というバンガード社の姿勢は、時間がたつにつれ、徐々に評価されるようになりました。
その結果、現在ではアメリカの株式投資信託の20%以上がインデックスファンドで運用されるようになり、アメリカの『Pensions & Investments』誌に掲載された「世界の運用機関資産残高ランキング」によると、2021年末時点で、バンガード社の運用資産の総額は約8.5兆ドルとなっています。
これは、世界最大の資産運用会社である、アメリカのブラックロック社の約10兆円に次ぐ第2位の額であり、運用資産が多いということは、資産の運用を任せる資産家が多いということ、つまり信頼されているということです。(P.206~208)
 
【信託報酬は安く抑える】
信託報酬とは、運用会社や販売会社に支払う手数料のことで、運用している資産の残高に対し、毎年一定の料金で発生します。
日本の信託報酬の相場は年率0.1%弱~3%程度となりますが、利益が出ようと損失が出ようと、投資信託を運用している間ずっと発生し続けるため、長期にわたって投資信託保有する場合は、できるだけ料率の低いものを選ぶ必要があります。
わかりやすく言うと、信託報酬年率1%の投資信託を運用し、年利3%の利益が出たとしても、手元に残る利益は、信託報酬を引いた2%分のみとなります。1%以下の利益しかでなかったり、損失が出たりした場合は、信託報酬の分だけマイナスになってしまうわけです。(P.212)
→マイナスにも複利が発生するため、長期で見ると損失が大きくなる。
 
【円をドルに換えておく】
少し手間はかかりますが、私は「円高のときに、VTやVTIを買うためのお金をできるだけ円をドルに換えておく」というのが、もっとも理想的な買い方だと思っています。
それによって、為替の変動による影響を抑えることができるからです。
ETFは、値段が少しでも下がったときに買う。
これは鉄則ですが、ETFの価格が下がるときと、円高が重なっているとは限りません。
円安が進行しているときに円で買うと、ETFの価格自体は安くても、実際の購入価格は高くなってしまいます。
(中略)
東日本大震災の2011年11月には1ドル=75円までになりましたが、近年は逆に円安が進み、2022年には1ドル=150円になりました。
たとえば一括購入のための資金が30万円分あったとして、それを1ドル=75円のときにドルに換えておけば4000ドルになりますが、1ドル=150円のときにドルに換えてしまうと、2000ドルにしかなりません。
そこまで極端に円高/円安になることはめったにないと思いますが、同じ30万円でも、1ドル=75円のときにドルに換えておけば、1ドル=150円のときの2倍のETFを買うことができるわけです。
このように、少ない投資額で大きなリターンを狙うには、為替損益を利用することが大きなポイントになります。(P.225~226)
Google Financeで為替相場は簡単に調べられる。
 
ETFを買うタイミング】
私がVTやVTIを買うのは、主に次の2つのタイミングです。
①価格が大きく下がったとき
②現在の価格を、直前の山のトップの価格(最高値)で割り、3~7%下がっているとき
(P.229~230)
 
【投資認定アドバイザーが公表?】
私は、新NISAは利用者のことを考えてつくられた制度だと思っています。
国は、新NISAを利用する国民が投資に失敗せず、きちんと資産を増やすことができるよう、かなり気を遣っていると感じられるからです。
たとえば、新NISAのスタートと前後して、「認定アドバイザー」がリスト化・公表される予定です。
現在、世の中にはファイナンシャルプランナー金融商品の仲介業者、投資助言業者、保険の募集人など、さまざまなお金や投資のアドバイザーがいますが、全員が本当にお客さんのためになるアドバイスをしているとは言いきれません。
そのため、金融庁は、予定では、
金融商品を販売していない
・金融機関などから手数料などをもらっておらず、報酬は顧客から受け取るのみ
このような条件をクリアしたアドバイザーを「認定アドバイザー」として公表するという取り組みを進めているのです。(P.253~254)
→調べた限り、まだ具体的なことは決まっておらず検討の段階らしい。