ねこみんの投資生活

ふつうの塾講師が適応障害をきっかけに投資を勉強していくブログです

【読書36冊目】改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい 朝倉智也

ETFの信託報酬が安い理由】
一般の投資信託の場合、信託報酬は受託会社と販売会社、運用会社で分け合う形になっています。特に取り分が多いのは販売会社で、信託報酬の約半分を得ています。
この点、ETFは株式と同じように市場に上場されています。買う時は証券会社を通しますが、証券会社はある銘柄を買いたいAさんと売りたいBさんの取り次ぎをしているだけです。つまり、一般の投資信託のように「販売会社」は存在しません。その分だけ信託報酬が低くなるのです。
また、通常の投資信託は追加設定や解約などで資金の出入りがありますから、組入銘柄の売買によるコストが発生します。
一方、ETFは市場で売買されても売り手と買い手の間でお金が行き来するだけで、原則として組入銘柄の売買を行う必要はありません。このため、ETFは低コストで効率のよい運用が可能なのです。
実際、TOPIXに連動するインデックス投信の信託報酬は平均で0.48%ですが、それに比べてETFはわずか0.09%と非常に低い水準になっています。(P.46~47)
 
【スマートベータ】
ETFの魅力をさらに増すものとして、インデックス運用に一味加えた「スマートベータ型」商品にも着目したいところです。
スマートベータの「ベータ」とは市場平均と同じ値動きを意味する言葉ですから、「ベータ=インデックス」と考えて差し支えありません。スマートベータはよく「賢い指数(インデックス)」などと訳されます。
では、賢いインデックスとは、どのようなものなのでしょうか?
通常のインデックス運用時価総額(=発行済み株式数×株価)によって組入比率が決まります。
たとえば、TOPIXに連動するインデックスファンドの場合、東証一部上場企業のうち時価総額が最も大きい自動車の組入比率が最も高く、次いでNTT、三菱UFJフィナンシャル・グループソフトバンクグループ…というように時価総額の大きいものから順に組み入れていくわけです。このような方法を「時価総額加重平均」といいます。
しかし、時価総額の大きい企業が、必ずしも好業績であるとは限りません。東証一部上場企業の例でいえば、その中には東芝のような会社も入っています。発行済み株式数が多くて時価総額が大きくても、業績が悪い会社はたくさんあるのです。
そこで「時価総額に応じて銘柄を組み入れるより、もっと『賢いインデックス』で運用する方法があるのではないか」ということで編み出されたのが、スマートベータです。
具体例をご紹介しましょう。
スマートベータには、たとえば、
配当利回りが高い銘柄で構成する「高配当型」
・売上高や利益、ROE(自己資本利益率)など財務状況から構成比率を決める「ファンダメンタル型」
・各銘柄の時価総額にかかわらず構成比率が等しくなるように組み入れる「均等ウェイト型」
ポートフォリオのリスクが最小になるよう構成比率を決める「最小分散型」
・Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の観点を重視して構成比率を決める「ESG型」、などがあります。
(P.89~91)
→インデックスのように機械的に運用を行えるが、一方で銘柄選別の考え方も含まれているので、いわばインデックスとアクティブの中間の運用といえる。
 
【お薦めの海外ETF7本】
①バンガード・トータルワールド・ストックETF
②バンガード・トータル・ストック・マーケットETF
③バンガード・FTSE・先進国市場(除く米国)ETF
④バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF
⑤バンガード・米国トータル債券市場ETF
⑥バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(米ドルヘッジあり)
⑦バンガード・米ドル建て新興国政府債券ETF
(P.130~131)
ETFはバンガード一強。