【ETFの信託報酬が安い理由】
一般の投資信託の場合、信託報酬は受託会社と販売会社、運用会社で分け合う形になっています。特に取り分が多いのは販売会社で、信託報酬の約半分を得ています。
この点、ETFは株式と同じように市場に上場されています。買う時は証券会社を通しますが、証券会社はある銘柄を買いたいAさんと売りたいBさんの取り次ぎをしているだけです。つまり、一般の投資信託のように「販売会社」は存在しません。その分だけ信託報酬が低くなるのです。
また、通常の投資信託は追加設定や解約などで資金の出入りがありますから、組入銘柄の売買によるコストが発生します。
【スマートベータ】
スマートベータの「ベータ」とは市場平均と同じ値動きを意味する言葉ですから、「ベータ=インデックス」と考えて差し支えありません。スマートベータはよく「賢い指数(インデックス)」などと訳されます。
では、賢いインデックスとは、どのようなものなのでしょうか?
たとえば、TOPIXに連動するインデックスファンドの場合、東証一部上場企業のうち時価総額が最も大きい自動車の組入比率が最も高く、次いでNTT、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソフトバンクグループ…というように時価総額の大きいものから順に組み入れていくわけです。このような方法を「時価総額加重平均」といいます。
しかし、時価総額の大きい企業が、必ずしも好業績であるとは限りません。東証一部上場企業の例でいえば、その中には東芝のような会社も入っています。発行済み株式数が多くて時価総額が大きくても、業績が悪い会社はたくさんあるのです。
そこで「時価総額に応じて銘柄を組み入れるより、もっと『賢いインデックス』で運用する方法があるのではないか」ということで編み出されたのが、スマートベータです。
具体例をご紹介しましょう。
スマートベータには、たとえば、
・配当利回りが高い銘柄で構成する「高配当型」
・各銘柄の時価総額にかかわらず構成比率が等しくなるように組み入れる「均等ウェイト型」
・ポートフォリオのリスクが最小になるよう構成比率を決める「最小分散型」
・Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の観点を重視して構成比率を決める「ESG型」、などがあります。
(P.89~91)
→インデックスのように機械的に運用を行えるが、一方で銘柄選別の考え方も含まれているので、いわばインデックスとアクティブの中間の運用といえる。
【お薦めの海外ETF7本】
①バンガード・トータルワールド・ストックETF
②バンガード・トータル・ストック・マーケットETF
③バンガード・FTSE・先進国市場(除く米国)ETF
⑤バンガード・米国トータル債券市場ETF
⑥バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(米ドルヘッジあり)
(P.130~131)
→ETFはバンガード一強。