ねこみんの投資生活

ふつうの塾講師が適応障害をきっかけに投資を勉強していくブログです

【読書32冊目】世界一やさしい株の教科書1年生 ジョン・シュウギョウ

【株価決定の2原則】
①「価格優先の原則」はあたりまえ
買い注文は、値段の高い注文が安い注文よりも優先します。売り注文は、値段の安い注文が高い注文よりも優先します。
これが「価格優先の原則」です。
「この値段で売りたい、買いたい」と出した値段を「呼値」と呼びます。先ほどの例だと、あなたが7504円の買い呼値で買い注文を出したのに、誰かが7507円の買い注文を出したらその注文が優先されてしまい、まず7507円で買いが成立するということです。売りたい人は少しでも高い値段を提示する人に売りたいので、これはあたりまえの話ですね。
②「時間優先の原則」
同じ値段で注文をした場合、取引所が受けつけた時間が早い注文が遅い注文に優先します。
これが「時間優先の原則」です。同じ7504円で注文を出しても、注文の早いほうが優先されます。(P.31~32)
→株価が上がっていく途中で自分の注文が成立せず、取り残される可能性もある。
 
【高くなったら買うという基準】
「高くなりはじめて、上昇がはじまることを確認したら買って、安くなりはじめて、上昇の勢いがなくなったことを確認してから売る」
(P.55)
キャピタルゲイン狙いの株投資では、プロは上昇のシグナルを読んで、買い始める。
 
【When優先アプローチ】
ファンダメンタル分析だけでいいという意見が存在することと同様に、テクニカル分析さえできればいいという考え方もあります。しかし「タイミングがあえば、誰とでも恋愛しますか?」と聞くと、「はい」と答える人は少ないでしょう。当然、自分が持っている基準にあわせて絞り込む必要があります。最終的に絞り込まれた人となら、明日から時間のムダもなく、何の心配もなく恋愛できるわけです。
これがWhen優先アプローチの強みです。「買いタイミングに来ている銘柄を先に選び出し、候補の中で投資に値する会社に絞り込めば、明日からでもいい会社の株式を買って、資金を増やしていける」のです。(P.73)
テクニカル分析で買いタイミングの銘柄先に選び、その中からファンダメンタル分析で投資に値する会社を絞り込むというアプローチ。スイングトレードであれば、合理的な戦略かもしれない。
 
【投資における「リスク」は不確定の度合い】
一般的に使われているリスクの意味とファイナンスや投資の世界で使われているリスクの意味はまったく違います。
みなさんが思っているリスクとは、「損失になること」こほうが多いはずです。しかし、「金融においてのリスクは不確実性という意味」です。「損失であれ、利益であれ、不確実なことが起こる可能性はリスクに含まれる」のです。
つまり、「利益になること」もリスクということです。
リスクが高いというのは損失になる可能性も高いけれど、それと同程度に利益になる可能性もあるという意味です。あなたが「リスク」をしっかり理解しているか、次の問題に答えてみてください。
 
問題
次の2つのうち、リスクが高いのはどちらですか?
①東京タワーから飛び降りてケガをする確率
②好きな女性に告白してつきあえる、またはフラれる確率
 
①と答えた人はまだ理解が足りないので、リスクの定義から読み直してください。
①を解説すると、東京タワーで飛び降りてケガをする確率はほぼ100%です。ケガではすまないのもほぼ確実でしょう。それだけ確実で、不確実性がかぎりなく「0%」ということは、むしろ「リスクがない状態」なのです。
一方、告白がうまくいかない確率は50%なので、まったく予想がつきません。こちらのほうが不確実性が高く、リスクが高いと評価されるわけです。(P.81)
 
【陽線・陰線の見方】
注意してほしいのは、陽線は前日の終値とは関係ないということです。「今日の朝から見て、株価がどうなっているのかだけ」を表しています。ですから、前日より終値は下げたけど、始値より上がっていれば、陽線になります。
また前日の終値と翌日の始値とは関係ありません。終値から離れてはじまるのが普通です。(P.99)
 
ローソク足で読む投資家心理】
実体は始値から最終的な終値の動きを表します。「実体が大きい陰線は、取引終了(引け)にかけて一方的に売られたことを表し、下落の勢いが強かった」ことを意味します。
(中略)
一方ひげに関しては、その長さと位置によって、投資家がその株式をどのように考えているかが推測できます。一般的に「ひげが長いのは迷いが大きい」ことを意味するといわれています。(P.101~102)
ローソク足から投資家心理を読み取ることができる。
 
移動平均線とは】
移動平均とは一定期間の終値の平均値で、平均の計算期間が一定期間になるように動かしていきます。
(中略)
5日目の移動平均は、1日目から5日目までの終値を足して5で割って求めます。これはいたって普通の平均を求める計算と同じです。6日目になると1日目を外し、2日目から6日目までの平均を計算します。この期間がずっと横に移動していくので、移動平均と呼ばれています。期間が25日だと25日移動平均、75日だと75日移動平均になります。(P.105)
移動平均は、直近の終値を計算に反映し、古い値は外していくことで直近の傾向を表すもの。
 
【75日平均線が上向きの銘柄から選ぶ】
多くの投資家がチェックすることで注目を集めやすく、中期の安定したトレンドを把握するツールとして75日移動平均線がよく参考にされます。75日移動平均線が上向くということは直近2,3ヵ月間、上昇傾向にあることを意味します。
つまり、「75日移動平均線が上向いているものだけを選べば上昇傾向にあるものを選ぶこと」になります。逆を言えば、チャートを開く瞬間75日移動平均線が下向いているものは投資の対象として考えなくてもいいという意味です。(P.119)
 
【株価が75日平均線を下から抜けると上昇トレンド】
投資の目標はできるだけ利益を大きくすることです。トレンドが発生する最初の時点で買うことができれば、利益は最も大きくなります。「トレンドが発生する基準になるのが、株価が75日移動平均線を下から抜けること」です。逆に株価が75日移動平均線の下にずっとあるということは、上昇トレンドがまだ発生していないということを意味します。(P.120)
→「高くなったら買う」の真意。移動平均線の近くで上に抜ける準備をしている銘柄も含まれる。
 
【逆指値で買い注文を出す】
まずトレードツールで、今日のローソク足にカーソルを乗せて価格情報を読み取ります。大体のトレードツールは、ローソク足のところにポイントを置くと価格情報を表示します。今日の終値は2339円で75日移動平均線の値は2377円です。
株価が75日線を越えるということは、2377円より1円でも高くなるということです。設定する買いの値段は2377円より1円でも高い2378円以上になります。これを逆指値注文の形式でいうと、次のようになります。
「2378円以上になったら2378円で買う」
終値が2339円で75日線の2377円より下にあるので、「2378円で買う」と注文を出したらすぐに買えてしまいます。わざわざ市場の価格よりも高い値段を出してくれるとなれば、誰でも喜んで売ってくれるわけです。しかしここでやりたいのは、「高くなって上昇の勢いがあることを確認してから買うこと」なので、条件設定が必要です。この条件設定を可能にするのが「逆指値注文」です。(P.124~125)
→この注文方法であれば、いつも株価を見張っている必要はなくなる。
 
【約定したら逆指値損切りも】
約定したことを確認したら、次のステップは損切りの注文を出しておくことです。売りの設定は、買いの反対の基準で設定します。まずは、損切りラインを決めることをします。上昇トレンドが発生する際は、75日線を株価が超えてきます。トレンドが終了して下落トレンドに変わるときは、反対に75日線を上から下に抜けていきます。または、1回超えたけど上昇の勢いが続かない場合も再び75日線のの下にいきます。
明確なトレンドが発生したことを確認する前は、「下にいって損失が大きくなることを防ぐために、75日線を上から下に抜けるところで売り注文を出す」のを忘れないでください。
約定したローソク足の価格情報を見ると、75日線の位置が2378円になっています。では、これを「上から抜ける」とは、いくらになったら成立することなのでしょうか。これも買いの設定と反対で、2378円より1円でも下になれば、「抜ける」ことになります。つまり、75日線より1円でも安い2377円以下になったら売るというのが、「損失限定の売り注文設定(ロスカット)」です。
この株式を2378円で1000株買った場合の損失金額はいくらでしょうか。
1000株買った場合の損失金額は、1000円です。(P.130~131)
→逆指値を使ってロスカットを自動化することで、塩漬けを防ぐ。
 
【株価が75日平均線を下に抜けたら売りポイント】
上昇トレンドが失速し、株価が75日線に近づいてくることが利益確定を準備するタイミングです。そしてついに株価が上から下に抜けていきます。これが最終的な利益確定のポイントになります。
先ほどの銘柄で、前日に75日線を確認すると3071円でした。そこで、3070円以下になったら売る設定をしておいたので、本日約定しました。
では、投資した期間の利益を計算してみましょう。2378円で買って3070円で売ったので、上昇幅は692円ですを
1000株買ったので、利益はなんと70万円近くの利益(692円×1000株=69万2000円)になっています。
何の根拠もなく「1000円のリスクで70万円の利益を取りにいきます」というと、ギャンブルにしか聞こえません。しかしなぜそれが可能なのか、どうしてそのリスク金額なのかが明確になると、誰でも実現できるうえに、「再現性のある行動理論」です。(P.134~135)
→上昇トレンドの間、75日線の上昇にあわせて逆指値注文を出し続け、利益を引き上げていくのがポイント。
 
【値幅注文で損失拡大を防ぐ】
買いの場合は、急激に上昇してしまうと買えないだけで何の被害もありません。しかし「売りの場合は、大暴落などで損失が拡大する被害が発生」してしまいます。これを防止するために行うのが「値幅注文」です。
値幅注文は、株価が急激に下がって注文した価格で約定できないことを防ぐしくみです。
要領は「条件に設定した価格より3から5円下の価格で売る」ように設定することです。
「7400円以下になったら、7395円で売る」
これが値幅注文です。値幅注文を設定しておくと、株価が7408円から7397円または7395円に急落してしまっても、7400円から7395円の間で注文が拾われることになります。損切りの設定をわざわざ5円も下げると、1000株単位であれば損切りの値段が5000円も増えるので嫌だと思うかもしれません。しかしそれ以上に暴落してしまうと、より大きな損失が発生してしまうので、「値幅注文は必ず活用する」ようにしてください。(P.145~146)
 
グランビルの法則は、米国のチャート分析家ジョゼフ・E・グランビル氏が考案したもので、「売買のタイミングを判断する手法」としてよく知られています。
(中略)
グランビルの法則の基本は、「株価は3段上げ、3段下げを繰り返すサイクルで構成され、そのサイクルの中で買いが4回、売りが4回と、売買ポイントが8回ある」というものです。(P.155~156)
→株価が波を打ちながら上がっていく、またその波が大きくなったり小さくなったりするという「株価の原理」そのもの。
 
【株式のランキングで銘柄を探す】
株式のランキングは、当日の動きの中からいろいろな切り口で順位を決めて発表されます。代表的なものに「値上がり率」「値下がり率」「売買高増加率」などがあります。
ではなぜランキングが銘柄の仕入れ先として適しているのでしょうか。それは、「これからトレンドになる、またはトレンドが転換する旬なものが集まってくるのがランキング」だからです。
底値を抜け出して久しぶりに上昇トレンドに乗ろうとするのはだんだん注目が集まるからで、ランキングに頻繁に顔を出すようになります。
また調整が終わって次の波を準備する段階でトレンド転換が起きると、やはり注目されるのでランキングに顔を出してきます。
(P.238~239)
→ランキングを見ることで、名前・業務内容を知らなかった企業にもアクセスできて投資の選択肢が増える効果もありそう。
 
【低乖離率(75日・マイナス)のランキング=買い時銘柄のランキング】
切り口のひとつとして「75日線に最も近づいている銘柄」というのが存在します。
では、ランキングページから探してみましょう。ランキングページの左側を見るとカテゴリ別にランキングが集まっています。たとえば、先ほどお話しした値上がり率は「マーケット関連ランキング」というカテゴリに入っています。このカテゴリの下のほうに「テクニカル関連ランキング」カテゴリがあります。ここに75日移動平均線のランキングが集まっています。
言葉は「低乖離率(75日・マイナス)」とわかりにくいですが、要するに75日線の下(マイナス)にいて、離れ方(乖離率)が最も低い(低乖離率)という意味です。まとめると、「75日線にまだ到達していないけれどかぎりなく近づいている」ランキングです。(P.245)
Yahoo!ファイナンスのランキングから検索が可能。株価が75日線に接近している銘柄=「明日、買っていい銘柄」を表示することができる。
Yahoo!ファイナンスは企業情報や業績、同業種との比較などファンダメンタル分析に必要な情報も見ることができるので、ランキングで企業検索→企業ページでファンダメンタル分析というように、投資して良い企業かどうかの検討まで完結できる。