【インフレでは10年国債の利回りから上がる】
(中略)
これは、多くの債券銘柄の中で10年国債が最も頻繁に、かつ大量に売買されるためです。(P.13)
【“金融商品収益の源泉は、すべてマーケットにあり”】
この点について、もう少し詳しく説明しておくことにします。
いささか乱暴にいうと、
→そこに景気と政策も関係する。
【需給バランスの原則】
キャベツが豊作で八百屋さんの店頭に山と積まれているにもかかわらず、キャベツを買い求める人が少なければ、キャベツの値段は下がります。なぜなら「値段を下げてでも売ろう」と売り手が考えるからです。
あるいは、閉店間際のスーパーマーケットの鮮魚売り場の刺し身の売れ残りは、大幅に値引きされています。
以上が「需給バランスの原則」ですが、これを一言でいうと、「少数者側有利・多数者側不利の法則」となります。(P.31)
【物価→金利】
→ただし近年は将来への見通しの不安から、消費を抑制する傾向が強いため物価が上がっても金利は上がりにくくなってきている。
【景気→金利】
景気上昇=企業活動が活発になると、経済活動を支える資金が必要となり、資金需要が高まる。そのため、お金の価値である金利が上がる(P.36)
【景気→物価】
景気がよい時には、企業、個人とも、製品およびサービスに対する買いを増やすため、これらの価格が上昇するのが一般的。(P.38)
→近年は新興国の工業化が進み、低価格商品がラッシュ状態となっているため、物価は上がりにくい傾向にあった。(ここ1年ほどで急に上がってきている)
【景気→為替】
景気拡大は、輸出力(国際競争力)の強化、貿易黒字・直接資本輸入の拡大を伴い、その国の為替相場を引き上げる(P.40)
【金利→景気】
【金利→為替】
【金利→物価】
金利低下により、企業、個人の資金借入意欲は高まり、使えるお金は多くなる。消費が増え、受給バランスからモノの値段は上がる(P.46)
→電子商取引の拡大でコスト削減が進んだことで、物価への影響が抑制されたという背景もある。
【為替→金利】
→債券の価格が下落するため、その分利回りが大きくなる。(株価の下落で配当利回りが大きくなるのと同じ)
【物価→為替】
→物価上昇で通貨の価値が目減りすれば、価値が減った通貨は売られて安くなるのが当然ということ。
【金利→株価】
金利が上昇すると、企業としてみれば借入超過部門である企業の資金コストは上がる。よって、企業業績は圧迫され、株価は下落する(P.56)
【株価→金利】
株が上がっているとき、債券は売られ株が買われる。「債券売り→債券価格下落→債券利回り上昇→金利一般が上昇」が基本(P.58)
→金利を上げて債券の投資妙味を高めないと、債券を買ってもらえないため。
【変化は相対的に見る】
「日本の金利が下がったときには、円安になる」という基本メカニズムがあります。ところが、日本と米国の同じ1年物金利について、「日本の金利が2%から1.6%に下がった」、一方「米国の金利が5%から3.5%に下がった」ときには、相対的にみれば、日本の金利が高くなったとみるべきです。この場合は、「円高」に振れると考えられます。(P.65)
→特に為替相場が絡む場合は、彼我の経済ファクターの変化を相対的に見る必要がある。